検索窓
今日:9 hit、昨日:7 hit、合計:324 hit

その80 社長、目下逃走中。  by主人公 ページ7

「朝だよ〜起きて〜!!」

聞きなれた声、肩に置かれた誰かの手の感触で私は目を覚ました。

ここはどこだっけ。

__ああ、明星刑務所にある自分の部屋か。

さっきまでのは夢だったのかな。

「打合せの時間になっても来ないから、心配していたんだよ。」

まだぼんやりとしている頭に結菜の声が届く。

『ごめんね。疲れて眠っていたみたい。打合せは結菜がやってくれたの?』

「うん。特に変わったこともなかったし。……あ、社長から伝言があるんだ。」

社長からの伝言、と聞いて私は身体を硬直させた。

このタイミングでのは良い内容だったことがない。

「『あの暗黒物質は後で確認したところ未知の作用が発見された。変な物を飲ませてごめん。』だって。」

背筋を寒いものが伝った。

あの暗黒物質?どの暗黒物質?

もしかすると私が昨晩飲んだ“お土産”のことだろうか。

そういえば、あれを飲んでから何かがおかしかったような……。

『彼は今どこにいるの?ちょっと話をしてこないと。』

ベッドから起き上がりながら結菜に尋ねると、彼女は首を横にふって答えた。

「社長なら、打合せ後すぐに終焉刑務所へ行ったよ。」

思い出した。

社長は末期クズに関する実験のために、今日から終焉刑務所に泊まるんだった。

……彼奴、逃げたな。


***


『ところで、結菜……。』

「ん、どうかした?」

私は起きたときから気になっていたことを彼女に質問した。

『私さ、クズになってる?』

「全然そんなことないよ〜!どうしたの、急に?」

『いや、何でもない……。』

あの出来事が夢だとわかってからも少し不安だった。

けれども、今の答えを聞いて安心した。

私はまだ一般ピープルとして生活することができそうだ。



そして、社長、マジで許さん。

その81 混沌とした空間  by林→←その79 爽やかな、罪の香り。  by主人公



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:恋愛 , 刑務所 , オリジナル   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅葉姫 | 作成日時:2024年2月18日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。