その３３ 手続き大変だ〜 byかぐや ページ39
嗚咽が響き渡る懲罰房を、囚人と共に出る。
建物の角を曲がろうとしたとき、反対側からきたかぐやとマッチング……じゃなくてエンカウントした。
「あれ？そいつは末期クズの……ってクズが治っているけど、どうしたの？」
『かくかくしかじかでね。今から色々と手続きをするんだ。』
「大変だね。私、今日は泊まりだし手伝うよ！」
とても有難い。
『ひとまず、かぐやにはクズ更生協会に連絡をしてほしいな。』
あの囚人はたしか、刑期がもう終わっていたはずだから出所の手筈も整えなければいけない。
とても面倒だ。
「看守長、俺はこのあとどうすればいいんですか？」
『夜も遅いし、ひとまず今までと同じ房に戻そうかな。明日になったらAの房を手配しておくから。もう出所できるけど、あまりにも突然すぎて全然準備できていないんだ。数週間くらい待ってね。』
そう言うと、囚人はおとなしく頷いた。
＊＊＊
囚人を房に入れた後、会議室にある自分のパソコンを立ち上げる。
囚人の名前を入力すると、家族の住所と電話番号が表示された。
番号を押し、電話をかける。
≪はい。≫
『夜分に失礼いたします。明星刑務所の看守長、風谷芽依です。』
≪何か夫が……。≫
『いえ、そうではなくて……。彼はクズが完治したのでもう少しで出所できます。そのために少々手続きが必要なので、あとでそちらのお宅に詳細を書いた紙を渡しに伺う予定です。』
私がそう言うと、電話の向こうは喜びの声で騒がしくなった。
『では、私はこれで。』
受話器を置く。
きっと、あの囚人の妻と娘は、彼の出所をとても喜んでいるだろう。
あの囚人はクズになる前、研究者だった。
吾琥叙についての研究をしていたのだ。
彼の主な研究は、吾琥叙の表面を覆っている液体の成分を分析することだった。
論文によると、吾琥叙の表面を覆っている液体の大部分は硫酸で、残りは全て未知の物質だという。
彼は、その「未知の物質」を調べている途中でクズを発症してしまったのだ。
クズにかかった彼は吾琥叙の表面を覆っている液体を町中にばらまく事件を起こした。
この世界の不思議な修復作用により町は数時間程度で元に戻ったが、クズ裁判の結果、彼はクズ収容刑務所に入れられることになった。
そして、彼は入った刑務所でもまた問題を起こしてここに来たのだ……。
クズが治って本当に良かった。
その３４ 感動の再会 by主人公→←その３２ 社長はもしかしたらヤンデレなのかもしれない。 by海風先輩
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アリア - はい‼️頑張ってください‼️ (2023年1月14日 14時) (
レス) @page22 id: a3853a35e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - アリアさん» 見守ってくださるのですか！？とっても嬉しいです！ありがとうございます！！無理しない程度に更新頑張ります！ (2023年1月13日 20時) (レス) id: 3f4c27677a (このIDを非表示/違反報告)
アリア - ｗａａａａありがとうございます・゜・(つД｀)・゜・面白くてka☆o☆suなこの作品をずっと見守ります❗更新無理せずに頑張ってください‼️ (2023年1月12日 15時) (レス) @page22 id: a3853a35e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - アリアさん» コメントありがとうございます！これからも、ka☆o☆suな雰囲気をお楽しみください！ (2023年1月9日 11時) (レス) id: 3f4c27677a (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 1番最初からみてますが、まいっかいka⭐o⭐seで笑ってます...面白い作品を書いてくれてありがとうございます‼️ (2023年1月6日 15時) (レス) id: a3853a35e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉姫 | 作成日時：2022年11月18日 8時
