その13 不思議の国に生えているワカメ by咲紗 ページ19
外巣side
その後、過酷な作業を辺りが暗くなった後も続けさせられた。
「刑務作業終了の時間だ。懲罰房に行くぞ。」
「はい。夕食は食べないんですか?」
「夕食は懲罰房で食べる。早く移動するぞ!」
すっかり暗くなった刑務所。
いくつかの窓にはまだ明かりが灯っている。
「こっちだ。」
房とは反対の方向に向かう。
かすかな明かりの中でヤバそうなオーラを放っている建物。夜に見ると一層恐ろしく見える。
勇気を振り絞ってその建物に足を踏み入れた。
「お前には一番手前のこの房に入ってもらう。」
「嫌だ!」
看守長は、俺を無理やり懲罰房の中に押し込んだ。
「夕食だ。味わって食べるように。」
看守長はコンブパンを渡してくれた。
***
食べ終わったあと、看守長は去っていった。
ふと俺はラップ音で目覚めた。
いつの間にか寝ていたようだ。
周囲は真っ暗。何も見えない。
またラップ音がした。
ラップを歌いながら音がした方を振り返ると……。
幽霊が青白く光ってる!!!
そんな、嘘だよね……!?
でも、もしかしたら過去にこの懲罰房で誰かが……。
あり得なくはない。
ってことは、これは本物だ。
***
あれ?ここはどこだ?俺は確か、懲罰房にいたはず。
目の前にはやや大きい池。
釣りをしている学生が沢山いる。
中学生くらいかな?
水面を見ると、俺の姿が映っている。
俺の姿も中学生くらいになっている。
「お!何かかかった!」
「俺」が喋っている。
手に感じる釣り竿の振動。
「外巣、頑張れ!」
誰か知らない人の声がする。
「釣れたー!!」
俺が釣り上げたのは、イカだった。
その瞬間、墨をかけられて視界が真っ暗になった。
「目がー!!目がー!!!」
「イカスミムスカ……。」
この声は、どこかで聞いたことがあるような……。
「イカスミムスカにワカメをトッピングした感じだね。」
かぐや看守の声だ。でも、どうして?
視界が真っ暗で、何も見えない。
「そんなのはどうでもいいから、はやく墨を拭いてー!!」
また「俺」が喋っている。
「仕方がないな……。」
誰かが俺についた墨を拭いてくれているようだ。
これは誰の声だろう。
でも、いつかどこかで聞いたことがあるような気がする。
徐々に景色がぼやけていく。不思議な夢だったな。
あの風景が懐かしく感じた。何故だろう。
それにしても、最後にきこえた声が、声の主の事が気になる。
墨さえなければ姿が見れたのに……。
その14 外巣は……。 by主人公→←その12 ワカメがついに刑務作業地獄デビュー!! by主人公
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アリア - はい‼️頑張ってください‼️ (2023年1月14日 14時) (レス) @page22 id: a3853a35e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - アリアさん» 見守ってくださるのですか!?とっても嬉しいです!ありがとうございます!!無理しない程度に更新頑張ります! (2023年1月13日 20時) (レス) id: 3f4c27677a (このIDを非表示/違反報告)
アリア - waaaaありがとうございます・゜・(つД`)・゜・面白くてka☆o☆suなこの作品をずっと見守ります❗更新無理せずに頑張ってください‼️ (2023年1月12日 15時) (レス) @page22 id: a3853a35e2 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - アリアさん» コメントありがとうございます!これからも、ka☆o☆suな雰囲気をお楽しみください! (2023年1月9日 11時) (レス) id: 3f4c27677a (このIDを非表示/違反報告)
アリア - 1番最初からみてますが、まいっかいka⭐o⭐seで笑ってます...面白い作品を書いてくれてありがとうございます‼️ (2023年1月6日 15時) (レス) id: a3853a35e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉姫 | 作成日時:2022年11月18日 8時