とある看守長のカオスな日々

その１　プロローグ。　　by咲紗 ページ6

あれから時は流れ、20XX年。

私達は社会人になっていた。

そして、N国内では原因不明の病気“クズ”になる人が多発し、治安はどんどん悪化している……。




私は仲間と共に明星刑務所で勤務している。

国内最難関と呼ばれる試験にも合格し、厳しい審査も通った。

その後、クズ収容刑務所看守養成所で約1年間訓練を受けた後、20歳の時、晴れてここの看守になった。

1年前、看守長であった海風先輩が終焉刑務所の看守長になり、当時副看守長だった私が看守長になった。

そして、今日に至る。




本日は新しい囚人が3人来る、とクズ更生協会から言われている。

そのメンツがかなり危険そうで少し怖い。

「囚人が3名、05:45に来るんだよね。」

今はかぐやと共に予定を確認しているところだ。

『新入りは予測不可の行動を起こす場合が多いから、午前中は常に新人の行動を尾行して見ていてほしいな。今回は結構ヤバいからね。』

どうして協会はこんな囚人をよこしてくるのだろうか。

一人目は、過去に別の刑務所から10回脱走しようとしている。全部阻止されたが。

理由は、食事に乾燥昆布が出なかったからである……。



二人目は、ワカメが嫌いで、それが原因で色々と暴れまくった結果こっちに移送されることになった。



で、三人目がワカメ。

そう。あのワカメだ。

ワカメが大嫌いな囚人と共に来るのが、ワカメみたいな囚人だ。

既に囚人輸送車の中は険悪なムードだと運転手の林から無線できいている。

拘束されているからまだよいが、ここにきて拘束が外されたら……。

リアルサバイバルゲームが始まりそうである。

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