その86 明日、回収しとく! by椿 ページ27
ーその日の放課後、帰り道ー
No side
椿と蒼は手を繋いで仲良く帰っている。
誰もいないからこそできることである。
「なんやかんやで、私達は怪奇現象の被害に遭っていないね。」
椿が蒼に語りかけた。
「そうだな。他の公式&非公式カップルは片方または両方が神隠しに遭っているからね。」
林の言葉に、椿は怪訝な顔をする。
「非公式カップル?そんなのあったっけ?」
「かぐやと林だよ。」
椿は一瞬納得したような顔になったが、今度は顔の右側は真顔で左側は呆れた様子というカオスな表情を浮かべて蒼に質問した。
「どうしてあの二人をカップリングするわけ?」
「だって林はかぐやの事が好きだろ?」
平然とそう言う蒼。
「かぐやは林の事、好きじゃないよ。後でかぐやに怒られても、私は知らないからね!」
突如、電話の着信音が聞こえて来た。
椿は携帯電話を取り出し、電話に出た。
〈椿、ごめん!今気づいたんだけど、教科書返し忘れてた!〉
電話をかけてきたのは芽依だった。
どうやら彼女は椿に借りていた教科書を返し忘れたらしい。
「机の上にでも置いといて!明日、回収するから!!」
〈了解!そして、リア充爆発!!〉
唐突な芽依の発言に、椿は戸惑っている。
「本当に爆発しそうなんだけど。」
「何故?って、あ……。オワタ。」
椿と蒼は死を覚悟した。
数メートル離れたところに紅葉が立っている。
彼女はじっとこちらを見つめている……。
「走って逃げるんだ!」
2人は走り出した。
すると紅葉は追いかけてきた。
必死に逃げているうちに蒼は転んでしまった。
「椿、逃げろ!俺の事は気にするな!」
椿は言われた通りに走って逃げた。
振り返ると、紅葉が蒼に追いついたところだった。
椿は無我夢中で走り、校門を出たところで再び振り向いた。
紅葉の姿は見えない。
〈大丈夫?〉
芽依の心配そうな声が電話口から聞こえる。
「なんとかね。かくかくしかじかで……。」
〈大変だったね。リア充爆発とか言ってごめん。〉
「うん。でも、彼女はどこかに行ったみたいだからもう安心だよ。」
芽依は、電話の向こうから強い風の音が聞こえることに気付いた。
〈あれ?椿?どうしたの?〉
返事はない。
〈通信が悪かったのかな?まあいいや。また明日〜 〉
芽依は電話を切った。
翌日、校門前で椿の携帯電話が発見された。
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紅葉 - ありがと〜!!!ちなみに、たった今シーズン3公開したぜ☆ (2022年11月18日 8時) (レス) id: 3f4c27677a (このIDを非表示/違反報告)
ピノ - どうも、元ネタの人です!紅葉ー!!シーズン2完結おめでとう!そして、シーズン3楽しみにしてるねー!!あと、修学旅行楽しみだね!! (2022年11月17日 17時) (レス) @page45 id: 3dde4bf171 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - ニャニャニャちゃんさんさん» 一日おきに投稿の予定ですが、色々と忙しいので遅れる場合もありますm(__)m (2022年10月28日 14時) (レス) id: 3f4c27677a (このIDを非表示/違反報告)
ニャニャニャちゃんさん - 次予定でいつ投稿ですか?(返信しなくてもいいです。) (2022年10月26日 18時) (レス) @page36 id: 85490e2255 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - 来望さん» コメントありがとうございます!今後の更新も楽しみにしていてください! (2022年10月24日 21時) (レス) id: 3f4c27677a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉姫 | 作成日時:2022年8月16日 10時