戦いの女神、怪奇現象を多分解き明かす！ ３

その６１　最後の事件　　by咲紗 ページ2

ー数か月後の放課後、下校中ー





1月の寒い風が吹き抜けていく。

木の葉はほとんど落ち、どこか寂しい雰囲気を感じる。

だが、紅葉の木だけはずっと紅い葉を残したままだ。

それも1枚2枚ではなく、ほぼ全ての葉が残っている。

しかも葉は全く落ちない。不思議なこともあるものだ。

そういえば、最後に怪奇現象を解いたあの日からずっとこのままだ。

咲良さんの声が脳内で木霊する。

【気を付けて。まだ、終わっていないみたい……。】

あれから何度もこの言葉の意味について考えた。

もしかすると、「終わっていない」というのは……。

「芽依、聞いてる？」

かぐやの呼びかけで、ふと現実世界に引き戻される。

『あ、ごめん。考え事に夢中になっていた……。何の話だっけ？』

「冬休みに咲紗さんがある意味“毎日おうちデート”だったことについての話〜」

『“毎日おうちデート”じゃなくて、幽閉されてたんでしょ？』

咲紗さんを幽閉するって……。外巣ならやりかねないけど。

無事解放されてよかったね。

「でも、咲紗さんは頑張れば壁抜けができるし、魔法だって使えるし、瞬間移動なんて朝飯前なのにどうしてそんな目に遭ったんだろうね。」

今更だけど咲紗さんって能力チートだよね。

『社長の暗黒物質のおかげもあるらしい。』

社長が外巣に頼まれて特製暗黒物質を作っていたの知ってるぞ。

「社長……。外巣の手助けをしてはいけないことに気が付かなかったのかな？」

社長はときどきポンコツになるから仕方ない。

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