戦いの女神、怪奇現象を多分解き明かす！ ３

その８０　明日は我が身……。　　byかぐや ページ21

林は暗黒物質を食べた。

「美味しい！！」

美味しかったらしい。

だが、私達の視線は暗黒物質が入っていた袋に貼ってあるラベルに釘付けになっていた。

“怪奇現象召喚用。食べるな危険！”と書いてある。

『林、それは食用じゃないよ。』

「証拠は？」

林が煽りムード全開な雰囲気で返答した。

『袋に貼ってあるラベルを読んだら？』

カウンターをくらわすべく、林に袋を渡した。

「早く言ってよ……。」

彼は自分の運命を悟ったようだ。

突然、紅葉の葉が林の周囲を舞い始めた。

紅葉の葉は林を包み込んだ。

紅葉柄の着物を着た若い女性が現れ、何か呪文を唱えた。

そして林が消失した。

謎の女性も姿を消した……。





私達はしばらくの間黙り込んでいたが、ふと、かぐやが口を開いた。

「あの人がこの怪奇現象を引き起こしているんじゃない？」

おそらくかぐやの言う通りだろう。

彼女こそがこの怪奇現象の黒幕で、“紅葉”さんなのだと思う。

「林、どこに行ったのかな？」

『私の予想だと、林は皆と同じように神隠しにあったんだと思う。』

「でも葉が落ちていないよ。」

かぐやの考察は今日も鋭い。

『他のみんなとシチュエーションが違うからだと思う。』

「なるほど。今回は自分で召喚していたからね。」

私は学んだ。

むやみに暗黒物質を食べてはいけない、と。

「明日は我が身ってことか。怖いな……。」

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