戦いの女神、怪奇現象を多分解き明かす！２ (ページ22)

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その５１　鏡の国の社長　　by咲紗ページ22

No side

「はやくここから出してくれー！！」

社長は暇すぎて、超絶ウルトラハイパーウーパールーパーミラクルクソデカメガボイスで叫んでいる。

楓の鼓膜が限界を迎えそうだ。

「そうは言っても、誰もここから人を救出する方法なんて知らないんだから。」

「林とか、見舞いに来てくれないかな～」

社長は、この前林に起きたアクシデントを忘れているようだ。

林はショックのあまり、抜け殻のようになっている。

一日中かぐやの名前をぶつぶつと呟いているその姿は傍から見れば不審者同然だろう。

「林は、まだショックから立ち直っていないだろ。」

「そうだった。しかもあの事件は俺が原因だし……。蒼なら大丈夫かな？」

「あいつは無理だ。俺たちの事なんて忘れている。」

蒼がさりげなくディスられている。

友を忘れるとは……。

「確かに、アイツは顎の下にずらしたマスクの存在すら忘れるからな。あり得るぞ。」

「その時、蒼は「マスクがない！！」って叫びながら教室内を走り回っていたよな～」

二人は思い出話に花を咲かせている。

「そんなかんじで、蒼が俺たちを救出する確率は非常に低いということだ。」

「なるほどね……。」

蒼、鏡の国の住人たちにディスられて可哀そうに。