その42 階段にまつわる……? byかぐや ページ13
ー数週間後ー
「ねえ、階段にまつわる怪談、聞きたい?」
かぐやが、どうやら面白い話を聞かせてくれるらしい。
聞かないという選択肢はないだろう。
『うん!どんなのがあるの?』
「……実は、言ってみただけで特にないんだ。」
ないのかよっ!
「ってわけで、探しに行かない?」
「いいね!でも、あと15分で私帰らないと。」
椿が言った。
『何かあるの?』
「蒼と一緒に帰るんだ!」
そうだった。椿は私達4人の中でただ一人リア充なのであった……。
この間の「理科室事件」のあと、なんやかんやで二人は付き合いはじめた。
リア充め。幸せになれよ。
絶対に爆発するんじゃないぞっ!!
「それなら15分で終わらせよう。階段スタンプラリー開始!!」
かぐやの一言で、私達は歩き出した。
***
ー10分後ー
これが最後の階段である。
「ところで、スタンプラリーっていうけど、どこにもスタンプ台がないよ。」
結菜が気付いたようだ。
「スタンプが欲しかったら吾琥叙にでも頼めばもらえるんじゃない?これはスタンプ無しスタンプラリーだから。」
それをスタンプラリーと言ってよいのだろうか?
それにしても、吾琥叙のスタンプか。
硫黄とアンモニアと塩素のにおいがしそう……。
私達は最後の階段に近づいていった。
その時だ。
地面に穴があいて、私達は吸い込まれてしまった。
ブラックホールではなさそうだ。
吸い込まれたことないから知らないけど。
でも、ブラックホールはもっとヤバそうな見た目をしているし……。
待てよ。私達が吸い込まれたのは「黒い穴」だから、直訳すれば「ブラックホール」になるぞ。
……誰だよ!廊下にブラックホールを落としたドジな奴は!
「どうしよう。蒼との約束、間に合うかな……。」
椿、約束を心配する前にまずは自分の安否を気にした方が良いと思うぞ。
その43 それは、誰にもわからない……。 by咲紗→←その41 それは、誰にもわからない……。 by咲紗
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紅葉姫 | 作成日時:2022年5月11日 8時