その40 コサックダンス100倍速! by林 ページ11
「とりま、俺はあそこのロッカーに隠れているよ。」
蒼はロッカーに隠れるようだ。
『ってか、先生は?さっきまでいたよね?』
「会議に行ったよ。」
社長が答える。
先生、会議に行ったのか……。最後の希望が失われた。
入り口のドアは……無理そうだ。入り口付近には人体模型がたくさん置いてある。
***
蒼がロッカーに隠れた数秒後、人体模型が動き出した。
「はやく机の下に隠れるんだ!」
人体模型は教室の中央に集まろうとした……が、蒼が隠れているロッカーの方へ向かい始めた。
「どうしよう。蒼が……。」
林が焦っている。
「林、お前が囮になるしかない。そのすきに俺たちは逃げて、あとからお前も合流する。」
社長、自分が囮になりたくないという意思が丸見えである。
「仕方がないな〜」
しかし林はその思惑に気付かなかったようだ。
彼は机の影に隠れながら教室の中央まで進み、そこで奇声をあげてコサックダンスを始めた。
『蒼、出てきていいよ。』
こっそり声をかけると、蒼がガタガタと某ホラーゲームの登場人物のように震えながら出てきた。
「林は大丈夫かな?」
こんな時でも蒼は友を心配している。地味に優しいね。
「アイツのことだ。なんとかやってくれるだろう。」
楓が答える。
今、林はコサックダンスを100倍速で踊っている。
もう足が見えない。
これは、コサックダンスを極めた人にしかできない技。
人体模型たちは見入っている。
『セコム時代のスキルが役に立ってよかったね!』
「分かったから早く逃げろ!」
林が叫ぶ。
私達は人体模型に気づかれないようにこっそりと理科室を後にした。
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作者名:紅葉姫 | 作成日時:2022年5月11日 8時