クラスのアイドル（悪女）に制裁を

その２６　蒼は壊れてしまった。　　by主人公 ページ28

ーまた別の日ー



現在はプリントの答え合わせをしている。

「井上君、8番の答えを言ってください。」

どうやら今度は蒼があてられたようである。

「分かりません。」

ま、蒼だからね。仕方ないか。

「ええ〜教科書の例文に出ていたでしょ〜」

「分かりません。」

「教科書見てもいいから……。」

「分かりません。」

蒼、絶対に壊れたな。

「っていうか、復習プリントはどこ？」

「分かりません。」

「教科書はどこ？」

「分かりません。」

これは完璧にbotだ。

「《授業中に席に戻りたくなった生徒が先生に言った言葉》May I go back to ( ) ( ) ? のかっこのなかに入る単語は？」

「分かりません。」

「蒼ならできるはず。頑張れ！！！」

「あ、分かった！！」

分かったの！？

「じゃあ、全文を言ってみて。」

「May I go back to the future ? (訳：未来に戻ってもいいですか？)」

……。

未来に戻ってどうするの！？なんとなく珍回答になるのは予想していたけどね。

でもこれは予想の斜め上だった。

「もし授業中にそんなこと言われたら困っちゃうよ……。誰か正解を言ってくれる人、いない？」

『May I go back to my seat ? (訳：席に戻ってもいいですか？)』

「正解！！」

これで私は「戦いの女神」の肩書の他に、「優等生」も加えられるかもしれない……。

「スゴーイ。スゴーイ。」

蒼、棒読みやめんかい！

「スゴーイ。スゴーイ。スゴーイ。」

『棒読みやめい！』

「スゴーイ。スゴーイ。スゴーイ。」

こいつ壊れやがった。

『シバいたら直るかな？』

どす黒い微笑みを浮かべてみる。

「すみません！命だけはお助け下さい！！」

スライディング土下座か……。仕方ない。許してあげよう。

『よろしい。』



これでも一応、授業中である。

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