陸はつらいよ ページ5
じりじりとこの身を焦がすように照る太陽と、地面から巻き上がる熱気が、動かなくても身体を疲弊させる。これが陸なのか、と驚愕しているジョー。海の中から魔法を使って近道しつつ、今さっき陸へ上がってきた。
「……身体が……重い……」
「こればかりは慣れるしかありません……」
もうすでに体力の限界を迎えている身体を起こし、贅沢に集合場所の「ホテル・ハイタワー」のエントランスへ瞬間移動魔法を使う。
建物の中は外より幾分かはましだったが、湿度と潮気の無さはいただけない。自室に水槽でもつけようかと考えながら、天日干しにしたかのごとくぐったりとしたジョーを支えつつ、応接室のドアを開けた。
同時にそこにいた人たちの視線が私達に集中する。ちょっとクラッとしたが、『足』に力を入れて乗り切った。
「私はA・アクア・マリーナ。海の魔女アースラ様の手下だ。こちらはエイトフットのジョー」
「俺もアースラ様の手下だ……」
短く自己紹介をすると、赤い眼鏡をかけたスーツ姿の女性が興奮気味に話しかけてきた。
「A・アクア・マリーナさんとエイトフットのジョーさん、ですね? わあ、これからよろしくお願いします!! ……あっ、お部屋の鍵はこちらですっ! 模様替えは自由ですよ!」
「っあ、はい。わかりました……。こちらこそ、よろしくお願いします! えーっと……」
「スキャターです! Ms.スキャターっていいます」
「よろしくお願いします、スキャターさん」
きゃー!っと歓声をあげながらスキャターさんはメモを取っている。ちらっと見ると、私とジョーの特徴が書き込まれていく最中だった。隣の彼も見たようで、ちょっと驚いたような顔をしていた。すごい勢いでペンを動かす彼女に手を振り、とりあえず荷物を置きに、鍵に印された番号の部屋へ向かう。
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紫(プロフ) - 緋焔さん» もちろんです!!わざわざ返信ありがとうございます! (2017年5月20日 23時) (レス) id: a503537b5d (このIDを非表示/違反報告)
緋焔(プロフ) - 紫さん» 大好きなんて!嬉しいです!!これからも応援よろしくお願いします! (2017年5月20日 23時) (レス) id: 384f0aa109 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - コメント失礼します! 群れの会話の時のヌタウナギとか面白すぎますww大好きです!頑張ってくださいっ! (2017年5月20日 23時) (レス) id: a503537b5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋焔 | 作成日時:2017年3月12日 1時