ようこそ深海へ！

【コラボ】スクイッド・アンド・オクトパス ページ32

今日もいつも通りに目を覚ます。
……覚ましたはずだったのだが。

「ここは一体……」
なぜだか私は真っ白な空間にいる。見渡す限り何もなく、端も見えない。ふと下を見てみると、さっきまでなかったはずのちいさなカードが落ちていた。
　拾い上げてよく見てみると、カードはガラスでできていて、金色の飾り文字で【ここは夢。安心して、ごゆっくり】と書いてある。少し目を離した隙に、カードは跡形も無くなっていた。どうやら本当にそのようだ。

「……か」
「うん？」
気のせいだろうか？ どこかから声が聞こえた気がする。とりあえず、聞こえた方向へ歩いてみよう。「ごゆっくり」といったって、こんなに何もないと、ゆっくりしようにも無理がある。
「だれかー……、いませんかー……？」
そこにいたのは、足元のカードにも気付かない様子でキョロキョロと周りを見渡す、白と青の髪が綺麗な同年代くらいの女の子だった。
「だれかー……、うわぁっ?!」
「?!……す、すまない。私はA･アクア･マリーナ、海の魔女アースラ様のメイドだ」
驚かせてしまったようだ。そりゃあ、いきなり人が近くにいれば、誰だってそうなるか……。
「えっ？」
「な、なんだ？」
「海の魔女アースラ様って、あのアースラ様？」
あの、と言われても……。赤い髪の人魚の魂を奪おうとした恐ろしい魔女しか私は知らないぞ。
頭にハテナマークを浮かべたような状態で説明すると、彼女は元から大きな目をさらに見開いた。
「ぼ、僕……、たぶんそのアースラ様の『手下』……です」
……なんだって？

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