見てないところで!_3 ページ25
そうして翌日。よく晴れた、人間にとってはいい日、私にとっては湿度の低さが深刻な日だ。
「『あなたのことがずっと好きでした』……? これが一番分かりやすいかな……。あまり詩的にしすぎても余計こじれるだけだ、大丈夫だろう」
はやる気持ちを抑え、ジョーの部屋へ向かう。今日もきっと仕事中だ。耳元で鳴っているかのように大きく響く鼓動を抑えようと、胸に手を当てながら階段を上る。
すると突然、無数のトランプが降ってきた。
「うおぉ……っ! 妙な登場をするな、ジャックハート……。対応に困る」
トランプの雨が止み、天井に逆さまに立つは赤と黒と白、そしてハートマークが印象的なエンターテイナー。
「ええっ、その言い方はひどい! ……まっ、今は良いや。Aちゃん、君に伝えたいことがあってはるばるここまで来たんだよ〜」
何? 伝えたいことだと? わざわざこうして来るという事はかなりの事なのか?
「実は実はねぇ〜? 昨日の夜! 君のご主人エイトフットと〜……なんと! ホックが一緒にいたのさ! 結構親密に話してたよ〜♪」
「……は?」
「話はそれだけ♪じゃあね〜」
……ジョーが……ホックさんと……『親密に』お喋り……だと?! くそ、先を越されたか! いや、まだ勝機はある。ホックさんとジョーが恋仲だという証拠はどこにも無い。さすがに考えすぎだ。過剰な妄想を振り払うように頭を左右に動かした。
「あ、A〜! 聞いたで、あの林檎と昨日たくさん話してたんやって? んもう、言ってくれればもっと二人きりの時間作ってやんのに〜!」
「……はぁ? ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれファージャさん、それはおそらく誤解だ誤解! 彼と私は断じて、断じて恋仲ではない!!」
ばしりと訂正して歩を速める。後ろで、「えぇ?! そうやの? ちぇー、ちょっと損した気分やわぁ……」みたいな声が聞こえたが、「損した」って……。
さらに進む。そして遂に……、
ジョーの部屋の前に着いた。
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紫(プロフ) - 緋焔さん» もちろんです!!わざわざ返信ありがとうございます! (2017年5月20日 23時) (レス) id: a503537b5d (このIDを非表示/違反報告)
緋焔(プロフ) - 紫さん» 大好きなんて!嬉しいです!!これからも応援よろしくお願いします! (2017年5月20日 23時) (レス) id: 384f0aa109 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - コメント失礼します! 群れの会話の時のヌタウナギとか面白すぎますww大好きです!頑張ってくださいっ! (2017年5月20日 23時) (レス) id: a503537b5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋焔 | 作成日時:2017年3月12日 1時