本題に入ろうか ページ11
話しはじめてからどれくらい時間が経っただろうか? 夕食の時間だと言われて食堂へ案内され、豪勢な装飾を見渡しながら席に着く。いつのまにか隣にいたジョーには驚いたが、彼は気配を隠すのがとてもうまいので、今回も私が気付かなかっただけなのだろう。
「さて、皆さんお揃いかな?」
コン、と一つ音がなる。音の方向を見れば、シルクハットにステッキを持った男性が立っていた。ああ、さっきの音はステッキを床か何かに打ち付けたものなのか。服の配色や口許の髭が、どこか胡散臭さを醸し出しているが、その瞳は確かに私達と同族のものだと感じさせるものだった。
「私の名前はMr.V。以後、お見知りおきを。そして早速だが、君達が何のためにここに集められたかは知っているね?」
ああ、ジョーから聞いた、リクルーティングのことか。他のみんなも知っているそぶりを見せている。
「そう、リクルーティング。その方法をまだ言っていなかったが、まぁ……、『ダンス』と『ゲーム』みたいなものになる。人間に親しみやすいようにすることが肝心だからね」
「ダンスなどに自信がない方でも大丈夫です! 振り付けは簡単ですし、この一ヶ月まるっと練習期間を設けました!!」
……はぁ?!
嘘だろう、『ダンス』だと? 人類の前で踊るのか? 考えただけで吐き気が……。いや、しっかりしろA。リクルーティングはアースラ様からのご命令だ、ここはしっかり人類をヴィランズ、及び深海に引きずり込んでやらなければ。
一人静かに意気込む横で、ジョーがくぁ、と欠伸をする。まだMr.V? の話は続くのに行儀が悪いだろう、と思ったが、話の内容はさっきほど重要ではない。冷めないうちにと思い、いつのまにか出されていた食事に手を伸ばした。
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紫(プロフ) - 緋焔さん» もちろんです!!わざわざ返信ありがとうございます! (2017年5月20日 23時) (レス) id: a503537b5d (このIDを非表示/違反報告)
緋焔(プロフ) - 紫さん» 大好きなんて!嬉しいです!!これからも応援よろしくお願いします! (2017年5月20日 23時) (レス) id: 384f0aa109 (このIDを非表示/違反報告)
紫(プロフ) - コメント失礼します! 群れの会話の時のヌタウナギとか面白すぎますww大好きです!頑張ってくださいっ! (2017年5月20日 23時) (レス) id: a503537b5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋焔 | 作成日時:2017年3月12日 1時