28話 ページ29
吐息混じりに鳴いてやると、Aくんの身体がびくりと震え、小さな身体の中の心臓が、大きくばくばくと脈打つのがわかる。
かわいい。
「はむ」
「〜〜！」
Aくんのヒトの耳を唇で甘噛みしてやると、Aくんは首まで真っ赤になって、声にならない声を出す。
おまけに何回か耳の筋を舌の先でなぞってやってから、Aくんの顔の上で頬杖をついて、Aくんの真っ赤な顔を見つめる。
Aくんは肩を強張らせて、息を荒げて、それでもオレから目が離せないのだろう、オレの瞳に視線は向いている。
何も知らねぇガキをいじめているような気分になって溜め息を吐くけれど、Aくんは歴とした成人だ。成人済み成人済み成人済み、と頭の中で繰り返し、なんとかAくんに視線を戻して、頬杖をやめて。
Aくんの唇をぺろりと軽く舐めた。Aくんは「んっ」と変な声を出すが、唇をぺろぺろと舐め続けて、口を開けるのを促すように。
「ん、んむ、む」
Aくんは小さな手を上に伸ばして、しかしその手は空を切り床に落ちて。
Aくんが口を開けてくれるので、舌を舐めてやる。端から先端から、また端まで。表も裏も、少しずつ丁寧に。
Aくんは真っ赤になって、目尻に涙を溜めて鼻水を啜る。しかし、いつもよりとろんとしている視線はオレの一挙手一投足に、期待しているような。
「……エロガキ」
オレは吐き捨てて笑い、思いっ切り唇をつけてやる。離して、目尻の涙を唇で拭ってやって。
「朝からずっとオレの事やらしー目で見てたっスよね」
「……」
「シシ、すけべなガキっス」
最後に鼻の頭に噛み付いて、Aくんの上から離れ、机の前に腰を下ろし仕事に戻る。Aくんは暫く放心していたけれど、数分して自室に戻った。
オレは溜め息を吐く。何も知らないガキなんだから、より強い刺激で上書きしてやれば、欲望がそっちに塗り変わって貰えないかと。
しかし罪悪感が激しい、とまた溜め息を吐いた。見た目がガキなせいで、マジでいじめてるみたいな気分になる。
(さあて……ただの年相応のすけべなガキになってくれりゃ良いんっスけど)
まだ、そっちの方がよほど健全だ。
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功徳(プロフ) - オパールさん» ありがとうございます！よろしければ他の作品も読んでくださると好みに合うかもしれません🥰 (11月10日 20時) (
レス) id: e0d582f997 (このIDを非表示/違反報告)
オパール - とーっても…面白かったです！この作品を作ってくれて、ありがとうございます！ (11月10日 19時) (レス) @page42 id: e52a8096f8 (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 新.sinさん» 一気読みありがとうございます！これを気に入ってくださった方は私の別作品も気に入っていただけそうなのでおすすめさせていただいております……💕重ねてお読みいただきありがとうございました🥰🥰🥰 (2022年8月14日 16時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
新.sin(プロフ) - 一気読みしてきました。私が占ツクで見てきた作品史上最も好き！！って思いました！！素敵な作品をありがとうございました！ (2022年8月14日 15時) (レス) @page42 id: 03f8c9269c (このIDを非表示/違反報告)
自分(プロフ) - 黒恋さん» わーーいありがとうございましたお疲れ様でした〜！！！本当にありがとうございます……💕💕💕嬉しい嬉しいなあ…… (2022年6月2日 18時) (レス) id: a1f82c8f4e (このIDを非表示/違反報告)
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