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第21話:とある最終信号の絶叫 ページ47

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　天井は十秒程経ってようやく「逃げよう」と思ったらしく、運転席のドアを開ける。最終信号(ラストオーダー)を捨ててでも生き延びたいのか、助手席の彼女に見向きもしない。それが一方通行の癇に障った。
　一方通行は軽蔑を極めた冷たい目を天井に向けると、無造作にバンパーを蹴る。つい今しがた開けた運転席のドアは、獣用の罠みたいに閉じた。自由に使えるのは今夜が最後になるベクトル変換を存分に使用したそれは、天井のあばら骨をへし折る勢いだった。
　――と騒がしい運転席側をものともしない静けさを保つ助手席で、一方通行の目的の少女は眠っていた。どす黒く汚い世界の住人とは決して交わる事の無い、光の世界の住人。その象徴の様に。

『確保っとォ』
「仕事が早いわね」
　芳川は一方通行の言葉を聞いて安心した。ウイルスコードの解析作業は八割方終了し、一方通行の待機場所である施設に培養器と学習装置(テスタメント)を乗せた車を走らせている。最大の不安要素であった最終信号(ラストオーダー)の確保に成功した今、芳川は出来るだけ早くこの車を目的地に着かせれば自体は収束すると確信していた。時間はギリギリだが、間に合わない訳ではない。タイムリミットまであと四時間弱もあるのだから、間に合わせて見せる。そう伝えた芳川に、一方通行は想像もしないような返事を寄越したのだった。

『四時間弱もある訳ねェだろ。伝わってなかったのかよ』

　芳川はその言葉にギョッとした。聞き返しても、一方通行は普段の調子でウイルスコードが起動するのは零時ジャストなんかではないと答えるだけ。芳川は問い詰めようとした。どういう事だと。しかしそれを待ってはくれない存在が、電話口の向こうからいよいよ鮮明な形となって現れた。
『よく聞いてろよ。多分疑問の答えは全部凝縮されてるはずだ』
　芳川は息を殺して耳を傾ける。彼女自身は聞いた事が無いが、微かに聞こえた少女の声は、その場にいる存在で考えると十中八九――
『み、サ――――……カ、ミサ。カはミサ、カはミサ！ カはミサカはミサカはミサカミサカミサカミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサミサｍ＞ｉｊｕ００５８＠Ⅿｉｓａｇｒミサｑｗ００１４ｃｏｄｅＬＬＧミサかミサカｉｅｕｖｂｅｙｄｌａ９((ｊｋｅｒｙｕｐ＠[ｉｉＧ..＊＊ｕｕｉ％％ｅｂｖａｕｑａｎｓｉｃｄａｉａｓｂｎａ..――――ッ!!』
　――最終信号(ラストオーダー)のものだ。

第22話:とある少女の使い道→←第20話:とある一方通行の奇行(2)



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ムスカ(ﾊﾞﾙｽしないで)(プロフ) - 凄い面白いです！！原作に近いのに原作とは違うイレギュラー(一方通行ちゃん)の続きが気になります…!!応援してます！ (2017年7月20日 2時) (携帯から) (レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
 蒼(プロフ) - Σ(ﾟДﾟ)ｽｹﾞｪ!!面白かったです！頑張ってください (2017年5月17日 15時) (レス) id: 8490ef35d5 (このIDを非表示/違反報告)
 ガルシア - 頑張ってください！ (2017年5月5日 16時) (レス) id: 980d9fadba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名：菊桜 | 作成日時：2017年4月27日 19時

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