第16話:帰宅 ページ37
「生で聞くとやっぱり違和感しかないんだけど、どうして貴方はそっちの読み方をするのかな、ってミサカはミサカはさっきの貴方の発言を仕返しとばかりにスルーしてみる」
どうやら少女は散々妖精扱いされたのを根に持っているらしく、ムッとした表情で平淡な声を響かせた。
「三食昼寝オヤツ付きで一泊させてやるから大人しく着いてこいっつってンだよ」
「やったーって――は――は問題とされているであろう部分を伏せながら歓喜に両手を挙げそうになってみたりー」
一方通行は水色の毛布を被った少女が何故両手を挙げなかったのかを聞かなかった。その理由を知っているので、気にしなかったのだ。
「うぉあー。ステキな所にお住まいだったのねー、って感心してみたり」
「ダッシュの表現が面倒臭くなったからって省略すンなよ」
ミサカという単語を「んー」で伏せていたが、「ミサカはミサカは」を完全に略した少女を一方通行はやや残念そうに咎めた。
上条の居る男子寮とは少し離れた女子寮の階段を、嬉しげな表情でぺちぺちと上る少女。その前を足音も立てずに歩く一方通行の耳に「遅いお帰りだにゃー」という声が届いた。
「女子寮で何やってンだ変態アロハシャツ」
「ネーミングセンス。ネーミングセンスが息してないぜよ」
金髪にサングラスに謎のアロハシャツ。全力で夏休みを謳歌してますと体で語る男、土御門元春が当然の様に階段先の廊下で立っていた。
「不審者数名がぞろぞろ女子寮に入っていくのを見たから後をつけたんだにゃー。そしたらお前さんの部屋で足を止めたから、襲撃の類いと判断してちょっと痛い目みてもらったって訳ぜよ」
一方通行は然り気無く少女を自分の背に隠しながら「そうかよ。じゃあ帰れ」とだけ告げた。土御門は一方通行の雑な対応を特に気にすることなく、廊下の奥にあるエレベーターに乗って帰っていった。
後日、土御門の部屋には木箱に入ったメロンが届くのだが、送り主が不明のまま隣人の居候に食われたらしい。
第16話裏:とある打ち止めの成長事情→←第15話裏:内心大歓喜ですが何か。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「成り代わり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ムスカ(ﾊﾞﾙｽしないで)(プロフ) - 凄い面白いです！！原作に近いのに原作とは違うイレギュラー(一方通行ちゃん)の続きが気になります…!!応援してます！ (2017年7月20日 2時) (携帯から) (
レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - Σ(ﾟДﾟ)ｽｹﾞｪ!!面白かったです！頑張ってください (2017年5月17日 15時) (レス) id: 8490ef35d5 (このIDを非表示/違反報告)
ガルシア - 頑張ってください！ (2017年5月5日 16時) (レス) id: 980d9fadba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菊桜 | 作成日時：2017年4月27日 19時
