第10話裏:主役だろうと今は邪魔 ページ27
「ぐちゃぐちゃ言ってねえで御坂妹から離れろよ三下!!」
びりびりと空気を震わせた怒声に、私は「これが気ってヤツか……」と半ば感動に近いものを抱いた。
「な、にをしているのですか。とミサカは、貴方の行動を制します」
一〇〇三二号は、信じられないものを見る様な目で彼を見つめた。
実験動物である自分を助けるなど、無駄な事でしかない。作り物の体に借り物の心、単価にして十八万円……ってちょっと待て。
ミサカ一体が十八万円しかしないの？ 学園都市の科学技術を詰め込んだ「能力持ちのクローン」なのに!?
ちょっと待ってちょっと待って。何かおかしいぞその値段。学園都市の技術力ならクローンぐらい大量生産出来るって言うか今正に大量生産してるけど、それで十八万円に収まるのか？
アレか。
「肉体が十八万円です。そこには、学習装置で入力する知識や精神は一切含まれておりません。勿論開発も行わないので、『無能力者』ですらない『一般人』です」
ってことか。散髪もしないだろうな。ずるっと培養器から取り出した状態が十八万円か。それならお値段異常でも納得出来る。凄いね学園都市。真っ黒だ。
あ、話終わった。当然ながら「勝手に死ぬんじゃねえぞ」関連の名言はばっちり記憶しました。満足です。そして向かってくる上条クン。……遅っ。
違和感に気付いたのは……いや、今思えば最初から薄々感じていたのだろう。一方通行戦「最弱vs最強」は、もやしみたいな一方通行を喧嘩慣れした上条クンがそげぶして終わる。切っ掛けは至ってシンプルで、上条クンの右手が一方通行の右手を弾いて無事だった事だ。そして一発拳が入ると、形勢は一気に逆転する……はず……なんだけど……。
どうも私が、その切っ掛けを潰してしまったらしい。
これに関しては言い訳をさせてもらおう。私は知識として「最弱vs最強」の流れを記憶している。そして自分は後者、つまり敗北する「最強」だ。
考えてみてほしい。自分が負けると分かっている勝負をする時、人はどうにかしてその負けを回避しようと思うでしょ？
どうやら私は上条クンに負けたくないらしく、いつまで経っても切っ掛けの接近戦を仕掛けない。客観的に見ると「相手の攻撃が届かない間合いからひたすら攻撃する」っていう正攻法なんだけど……原作は壊れますよね、知ってる。
知っててやってる。
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ムスカ(ﾊﾞﾙｽしないで)(プロフ) - 凄い面白いです！！原作に近いのに原作とは違うイレギュラー(一方通行ちゃん)の続きが気になります…!!応援してます！ (2017年7月20日 2時) (携帯から) (
レス) id: 73140b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
蒼(プロフ) - Σ(ﾟДﾟ)ｽｹﾞｪ!!面白かったです！頑張ってください (2017年5月17日 15時) (レス) id: 8490ef35d5 (このIDを非表示/違反報告)
ガルシア - 頑張ってください！ (2017年5月5日 16時) (レス) id: 980d9fadba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菊桜 | 作成日時：2017年4月27日 19時
