とりあえず、ゲロ（レベルヒロ）インに中指立ててみた。【青葉城西】

８話っていうか混乱 ページ8

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Aside


あのあと、廣宮の甲高い叫び声で、他のクラスの人や先生が何事かと集まってきた。

真ん中でうずくまって涙を拭いている私と、その私の近くで頭を抑えながら嗚咽を繰り返す廣宮。

近くには私と廣宮の髪の束が落ちていて、

私を守るように廣宮との間に立って、
冷たい目で廣宮を睨む志穏、

脇で背中を擦りながら後ろのバレー部員を今にも殺しそうな目で見ている日和、

髪の毛を梳きながら、ドアや窓の辺りに群がる人を睨む しの。

そして私たちを、囲み、他のクラスの人たちの視線から守るように立つのがクラスメイト。


チャイムが、なって。


いつの間にか昼休みは終わっていて、授業が始まるようだった。


先生が来た、と言ったが、訂正する。

教室に入ろうとはしているのだ。

だが、野次馬に邪魔をされてこちらに近付いてこない。


収集がつかなくなったため、日和が声をかける。


「とりあえず、授業始まるんで。帰ったらどうですかぁ？バレー部の皆さん方ぁ。」

時計を確認して、走って出ていこうとするも、ドアを開けたら人だかり。

「つかさ、帰れとは言ったけど、一言ないわけ？」


「は？」

つんつん頭の人が言う。

「やったのはアンタじゃなくても、アンタのマネージャーがやったことでしょ。アンタらが面倒事持ってきてんだよ。まずソイツに謝らせな。」


そう言って廣宮を指す。

「ひっ、……っく、……ぅぅっ、……。」

ねぇ、いつまで泣いてるの？

「泣けば済むと思ってんじゃねぇよ。」

「おい、ブス。こっち向けよ。」

どんどん過激になっていく日和の言葉。
流石にこれ以上は日和の立場が不味い。

『日和……、落ち着いて……！』

とりあえず鎮めなければ。

『髪の毛は……そりゃ、まぁ。怒るのも仕方ないと思う。事情を知ってるし。私も、怒ってるし。』


ここまでで一つだけ言っておくとすれば。



『怒鳴られたら謝るに謝れないでしょ？』


まだ、許してないということ。
少しだけでも援護はしてあげるけど、謝らないで許すほど、私優しくないから。


『ね？廣宮さん。』


ビクリと肩を震わせ、こちらを見る廣宮。

目を見開き、隣で慰めていた主将さんにしがみつく。

ねぇ、そんなに怖いの？


ただ、笑ってるだけでしょ？








＿＿＿そう言った彼女の顔は、口角が上がっていながらも、目だけがギラり、廣宮を見つめていた。





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