6 ページ8
「それでなぁ、研磨がぁ…」
車は高速道路に入る。
さっきから黒尾さんは研磨さんという人の話ばかりだ。
「黒尾さん、研磨さんのことめっちゃ好きじゃん。」
「ははっ、まぁな。幼馴染みだし?」
少し笑いながら懐かしいような笑みを浮かべた。
「お前、高校楽しいか?」
「うん、まぁまぁ楽しいよ。勉強はきついけどね。」
「そんなもんだよな、俺も勉強きつかったなー」
「あぶなっ、黒尾さん気をつけて。これは煽ってますよ。」
「あぁ、わかってるわかってる。…いいや、あぶねえな。」
トラックの煽り運転に二人苛立ちながら逃げるようにパーキングエリアに入る。
「お前、何か食うか。」
「ジュース買う、ファンタなくなった。」
「ファンタって、ははっ、意外と子供舌なんだな。」
「うるせ、美味しいから仕方ないっつーの。」
軽く肩を叩いた。
「ははっ、わりぃ。俺、トイレ行ってくるから。てきとうに見といて。」
「うん、わかった。」
ファンタの新味を見かけたから買おうと思ったけれど、黒尾さんに子供舌だと笑われるのは何だかムカつくので無難にお茶を買う。
車まで戻ってきたのはいいものの、黒尾さんはまだ戻っていないらしい。
やけつくような炎天下の中、私はぼーっと立ち尽くす。
見渡してもビルなんてない。
痛いくらいみずみずしい木々が並んでいるだけだ。
「わりぃ、結構待ったろ?」
「あー、やっときた。おせーぞ黒尾さん。」
「わりい女の子に絡まれてさぁー、いやぁ困りますなぁー」
「気持ちわるいぞーソフトクリーム食べていいの?」
「あぁ、溶けてきてるから気をつけろよ。シートにつけたら容赦しねーぞ。」
「こわっ、これ結構おいしいじゃん。」
私は苺味のソフトクリームをぺろりと舐める。
ちなみに黒尾さんはソーダ味のを食べている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
立花 - 腫れ物じゃなくて、このシチュなら壊れ物じゃないの (2020年3月16日 6時) (
レス) id: 9b35e00014 (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - いつの間にか6500hit突破…ありがとうございます!というかアニメ4期の告知的なPV見ましたか!?ホントに宮侑くん顔が良すぎる……口角が上がりすぎて無事どっかに飛んでいきました。 (2019年12月27日 0時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 5000hitありがとうございます。 (2019年10月20日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 順位更新ありがとうございます。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＠でに | 作成日時：2019年4月5日 0時
