4 ページ6
八月も中旬に差し掛かったところ、黒尾さんから電話があった。
「どっかに、連れてってやるよ。」
「え、いいの。」
「お前、何か用事あるか。」
「あー…ないよ。」
「じゃあ８時40分にマンション前な、忘れんなよ。」
「わかった、大体何時くらいに戻る?」
「あーでも、遅くなるかもな。お父さんに言っておけよ。」
「わかってるよ、それじゃ、ばいばい。」
「おう。」
どこに行くんだろうか。
日帰りっぽいから、やっぱり関東なのかな。
出来れば、東京以外がいいなぁ。
家族で遠いところに行ったり、旅行をしたことが記憶の中では一度もない。
旅行って言ったら修学旅行しか思い浮かばない。
わくわくしながらベッドに倒れこむ。
なんだか、デートみたいだ。と少しドキドキしている自分に気づく。
「何考えてんだ、わたし。」
本当に、その通りだ。
いくらそういう色恋沙汰に疎いとはいえ、そんな事を考えるなんて。
黒尾さんだって、私を異性として見ている訳ないよ。
明日は、ただ生き抜きをするだけなんだ。
デートとか、そういう事は一切ないに決まっているだろ。
それをしっかり頭に刻みつけ、立ち上がってクローゼットを開ける。
明日は晴れるらしい。
ワンピース?それともスカートかな?
クローゼットの前でうんうん唸っているうちに、夜は更けていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
立花 - 腫れ物じゃなくて、このシチュなら壊れ物じゃないの (2020年3月16日 6時) (
レス) id: 9b35e00014 (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - いつの間にか6500hit突破…ありがとうございます!というかアニメ4期の告知的なPV見ましたか!?ホントに宮侑くん顔が良すぎる……口角が上がりすぎて無事どっかに飛んでいきました。 (2019年12月27日 0時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 5000hitありがとうございます。 (2019年10月20日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 順位更新ありがとうございます。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：＠でに | 作成日時：2019年4月5日 0時
