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「うそぉ、まじの話?あんな美人のお姉さんと別れたの?」

びっくりして危うくスマホを落としそうになる。


美人なお姉さんというと、黒尾さんの元カノのことである。

二人の姿を目撃したのは今年の春ぐらいだった気がする。
淡い栗色のウェーブのかかったふわふわの髪。
重たそうなボリュームのある胸。
形の良い唇。

美人だ、人目見てそう思った。

黒尾さんに話しかけられ、これ俺の彼女。と紹介された時はすごく驚いたのを覚えている。

「こんにちは。」
形の良い唇が発せられた声はか細くて、可愛らしい声だった。

何だか恥ずかしくなって私は会釈しか出来なかった。
思うととてもお似合いな二人だったと思う。
黒尾さんは普段実感出来ないけど格好いい人だし、面白い人だ。
あのお姉さんが黒尾さんと付き合うのも頷ける気がした。

「美人だったけど…まぁ、色々あるんだよ。」
「へぇ、じゃあ今はフリーなんだ?」
「あぁー…まぁな。」

本当に色々あったんだろう。
話しにくそうな雰囲気をなんとなく察知して、話を切りあげる。

「あっ、やべくっそ!わりぃ、またな。」
「あっ、うん。またね。」


ぷつり、電話が切れる。
その途端、蝉の騒がしい声が私の鼓膜に鳴り響く。
薄暗い部屋にテレビの光がさしこむ。

蝉が鳴いている。
なんの種類かはわからない。
小学校に入学するまで住んでいた愛媛とは大違いだ。
地元でも蝉は鳴くけれど、それは夏の情緒に含まれるもの。

でも、東京は違う。
誰かがスイッチを押したように、暴力的な声量で蝉は鳴く。

そして、全てを飲みこんでしまう。

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立花 - 腫れ物じゃなくて、このシチュなら壊れ物じゃないの (2020年3月16日 6時) (レス) id: 9b35e00014 (このIDを非表示/違反報告)
@でに(プロフ) - いつの間にか6500hit突破…ありがとうございます!というかアニメ4期の告知的なPV見ましたか!?ホントに宮侑くん顔が良すぎる……口角が上がりすぎて無事どっかに飛んでいきました。 (2019年12月27日 0時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
@でに(プロフ) - 5000hitありがとうございます。 (2019年10月20日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
@でに(プロフ) - 順位更新ありがとうございます。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@でに | 作成日時:2019年4月5日 0時

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