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だんだん頭の痛みが和らいでいく。
目をゆっくり開けると、喉が猛烈に渇いていることに気づく。
お茶を一気に飲みほした。
「黒尾さんは、別れた後お母さんに会ったりした？」
黒尾さんが父子家庭であることは、昔から知っている。
姉が仕入れてきた情報だけど。
「あぁ、一度だけ、中学のときにな。ファミレスで少し話しただけだ。今じゃどこで何してんのかすらわかんねぇ。」
「私、別れてから母親に一度も会えてないんだよねぇ。」
「そうなのか、お前が何歳のときに別れたんだ？」
「うーん、8歳くらいかなぁ。だからもう10年くらい会ってないよ。」
高校三年生にもなって、母親に会いたい、だなんて思ったりするのはちょっと恥ずかしいけど。
それでも、会いたいと思う。
寂しさは、誰にも埋めることが出来なかった。
父も母もきっと大きな間違いをおかした。
姉では、足りなかった。
補うことは、絶対に無理だった。
心の寂しさ。
私も、姉くらい、大人だったら、少しぐらいはましだったのかな。
でも、きっと姉だって寂しかったはずだ。
きっと、疲れるくらい、涙がかれるくらい、泣いたはずだ。
「なんて、そんな泣きそうな顔してんだよ。」
黒尾さんはスマホから目を放して、私をまっすぐに見る。
何だか、心を覗かれているようだ。
「…泣きそうなんかじゃない、し。」
「うそつけ、泣きそうじゃん。ちょっとこっち、こいよ。」
「……ぅん。」
体を黒尾さんのほうに寄せる。
瞬間、体を優しく抱かれる。
「…っ、は、…何、してんの。」
びっくりしすぎて、声がうまく出ない。
黒尾さんは私を腫れ物みたいに優しく抱く。
甘いような、爽やかなような、よくわからない黒尾さんの匂いに包まれる。
「我慢すんな、俺の前で。
何でそんな、我慢すんだよ。
素直になれよ、A。」
「…なに、それ。…別に、我慢なんかしてないしぃ。なんでそんなに、泣かせにくるのさぁ…！」
そんなつもりはなかったのに。
涙が溢れてとまらない。
気つけば、私は大泣きしていた。
人の前で泣くことなんて、今までなかったのに。
「はは、お前けっこう泣くなー」
「うぅ、うっさい。泣かせた、のは、そっちだって…」
私はぎりっと黒尾さんを睨む。
「…わりいっ、でも、泣きそうな顔は、見たくねぇから。」
「っ、だからっ、泣きそうじゃないしっ！」
「まぁ、結局泣いちゃってますけどね。」
「まぁ、そうだけど。」
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立花 - 腫れ物じゃなくて、このシチュなら壊れ物じゃないの (2020年3月16日 6時) (
レス) id: 9b35e00014 (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - いつの間にか6500hit突破…ありがとうございます!というかアニメ4期の告知的なPV見ましたか!?ホントに宮侑くん顔が良すぎる……口角が上がりすぎて無事どっかに飛んでいきました。 (2019年12月27日 0時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 5000hitありがとうございます。 (2019年10月20日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 順位更新ありがとうございます。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＠でに | 作成日時：2019年4月5日 0時
