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砂浜までゆっくりと戻った私に黒尾さんは真っ白でふかふかのタオルをくれた。
「ありがと。」
「あぁ。」
ふわっふわのタオルを黒尾さんの匂いがした。
あらかじめペットボトルに入れてきた水道水で足にこびりついた砂を払う。
これがなかなか大変な作業で苦労するのだ。
「お前、何分それに時間かけてんだよ。ほれ、水、かせよ。」
「へっ、あぁ、う、うん。」
黒尾さんにペットボトルを渡す。
「こういうもんはなぁ、もっと豪快に…」
水をかけながら、私の親指の先に触れた。
「っ、…」
一瞬にして、体が熱を帯びる。
心臓がどきんどきんとうるさく跳ねている。
「よしっ、いいな。」
「あ、ありがと…」
黒尾さんは満足そうににこっと笑顔を見せると、海の方をじいっと眺め始めた。
私もスマホをいじったりする気にもなれないから隣で会話もせず海を眺める。
本当に、静かだ。
波が引いて、また押し寄せて、その音だけがこの空間を支配している。
日に照らされてぎらぎらと輝く海は私の心を強く揺さぶる。
なんだか、心がすごくざわめいてる。
それはきっと今年はろくに遊びに出たりしなかったからだ。
今年の夏は勉強しかしてきないからだ。
そう言い聞かせる。
きっと、そうだ。そうだよ。
ちらりと黒尾さんを見ると、ばちり、と火花が散るくらいに目があった。
私は、目を逸らせないまま、黒尾さんをみつめる。
黒尾さんも何故か沈黙のままだ。
世界が切り取られたみたいだ、と私は考える。
ふ、と目をやっと逸らすことが出来た。
空を見るとなんだか雲行きが怪しい。
黒い雲が空をいつの間にか覆っている。
雨が降るのかな、と思った瞬間。
大粒の雨が私達を容赦なく叩きつけた。
私は急いで駆け出した。
ぐしゃぐしゃで走りづらい砂浜を頑張って走る。
車に戻ったころには、髪も服もびしょびしょに濡れそぼっていた。
まさにどしゃぶり。
遠くで轟音が聞こえて、たまにびかんっと雷が落ちた。
「ひどい雨だな。」
「そうだね、さっきまであんなに晴れてたのに。」
私は持ってきていたタオルで体を吹く。
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立花 - 腫れ物じゃなくて、このシチュなら壊れ物じゃないの (2020年3月16日 6時) (
レス) id: 9b35e00014 (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - いつの間にか6500hit突破…ありがとうございます!というかアニメ4期の告知的なPV見ましたか!?ホントに宮侑くん顔が良すぎる……口角が上がりすぎて無事どっかに飛んでいきました。 (2019年12月27日 0時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 5000hitありがとうございます。 (2019年10月20日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
＠でに(プロフ) - 順位更新ありがとうございます。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: 4e6a48575b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＠でに | 作成日時：2019年4月5日 0時
