私のママはベルモットです【名探偵コナン】

10 バーボン ページ10

ベルモットはタブレットを取りだし、画面に映った写真を指差す。

褐色の肌に水色の瞳、金色の髪のすごいイケメンである。

「この人がバーボンよ。

いい子にできる？」

「うん」

ニコッと微笑み、頷いたAにベルモットは安心した。




翌日。

待ち合わせのカフェにて。

ベルモットはAの方を何度も振り向きながらも言ってしまい、今は注文したオレンジジュースをのんでいるA。

綺麗な顔のAは注目を集めているが、本人はボンヤリと窓の外を眺めていた。


キキッと白のRX-7が止まり、バーボン-安室透が降りてきた。

カウベルの音と共にカフェに入ってきた安室は、Aにまっすぐ近づいてきた。

「A・ヴィンヤードちゃん？」

こくりとAが頷く。

安室はしばらく何か考えていたが、「どこか行きたいところある？」と聞いてきた。

「…トロピカルランド」

雑誌で新しいアトラクションやコーナーが出来たと知り、ずっと行きたいと思っていたのだ。

ふはっと安室は噴き出す。

「なんで笑うの、バーボン」

ぷぅとすねたように口をふくらませたAに、「ごめんごめん」と言いつつも安室はわらっていた。

(ベルモットの娘だったら、ベルモットに似てるかな)

そう、食えない不思議な女子供バージョンだったら嫌だなと思っていた安室。

子供でホッとした。

お会計を済ませると、2人はトロピカルランドに向かって出発した。




「じゃあ、チケット買ってくるよ」

「ありがと。…ねぇバーボン、ちょっと待って」

「なに？」

「透兄って呼んでいい？」

上目遣いで可愛らしく聞いてくるA(ちなみにベルモット直伝である)。

安室はハートを貫かれつつ、安室透のスマイルで「いいよ」と返事した。

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