8 トラップ ページ8
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが鳴り、Aはランドセルを持って立ち上がった。
アメリカと日本では結構違いはあるが地頭がよく、真面目なAはさほど授業には苦労しなかった。
だから、漢字テストの再テストで残る必要はないため、まっすぐ家に帰ろうかな、と思っていた矢先.コナン達が話しかけてきた。
「Aちゃん、今日放課後予定ある?」
「え、特には…」
ベルモットの裏の職業をなんとなく教えてもらって、大好きなママが黒い職業だったなんてショックで、避けていた時期もあったが、今では前以上に親娘関係は最高だ。
そのため、できればさっさと帰ってママが出演している映画のDVDをみたかったが、ここでさっさと帰ったら怪しまれるだろう。
そう判断して、Aは「どこ行くの?」とついて行った。
「ここだよ」
大きな白い家。
哀が「ただいま〜」と言っているから、居候している家なのだろう。
「阿笠博士っていう、灰原を預かってくれてる人の家なんだ」
「ワシが阿笠じゃ、よろしくの」
温厚そうな老人と雑談していると、ピンポンとチャイムがなる。
「あっ、沖矢さん」
シャーロキアンな大学院生-沖矢昴-赤井秀一がニコニコと鍋をもって立っている。
「ライ…?」
Aがボソリといった言葉に、コナンと哀が過剰な反応をした。
沖矢昴として笑いながら、赤井秀一としては「Aにまた会えて嬉しい」「無事でよかった」が本音だった。
「“初めまして”、沖矢昴です」
「(あ、ライなわけないよね…)A・ヴィンヤードです、初めまして」
ライと沖矢昴は似ている、とAは思う。
声も骨格も外見も違うけれど、同じだ、と彼を見た瞬間思ったのだ。
「カレーライスを作りすぎてしまったので、おすそ分けに」
「やったー!」
「歩美、昴お兄さんのカレー大好き!」
「博士、皿によそってくれよ!」
阿笠博士、歩美、元太、光彦、Aが行ってしまうと、コナンは昴に耳打ちした。
「ねぇ、赤井さん、彼女は黒?」
「いや、彼女は白だよ、
しいていうなら-」
秀一は緑の目を開眼した。
「デビルに囲まれた俺とベルモットのエンジェルだよ」
「それって-」
「ボウヤは心臓を貫くシルバーブレッド…、彼女はシルバーブレッドを隠す白い闇とでもいうべきだな。
どっちにしても味方だよ、彼女は黒に染まるべきではない人間だ」
「そっか、安心したよ」-
コナンはニッコリと微笑んだ。
1218人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
泉 - 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (2023年1月5日 13時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
泉 - ベルモットも人間 (2023年1月5日 13時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
かのん - ベルモット大好きだから嬉しい❤️ (2022年1月22日 11時) (レス) @page48 id: 23ecb5b22b (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 晴雫丸さん» それな!! (2019年9月17日 21時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
S・T(プロフ) - 皆の溺愛行動を見てると…自分がその場にいたら…『貴方達…何やってんですか(苦笑)』…って、思わず言いますねf(^^; (2017年12月27日 15時) (レス) id: fd942f87f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モノクロ猫 | 作成日時:2017年8月24日 23時