3 甘やかし ページ3
「A」
2日後。
一日目はAをゆっくり休ませている間に養子縁組をし、ネットで何着かかわいらしいパジャマと洋服、下着を買って、ベッドもベルモットと一緒だったのだが。
「洋服買いに行きましょ」
「え、わたしおかねないよ?」
Aがキョトンと首をかしげれば、ベルモットが「私が買うわよ」と答える。
「せっかく娘ができたし、私がコーディネートするわよ」
「え、でも…」
Aが遠慮すれば、ベルモットは半ば強引に車にのせた。
助手席にAはしっかりとシートベルトをしめて乗り、ベルモットがハンドルをにぎった。
窓の外をみながらAはボンヤリと考えた。
2日前あったばかりのママが、なぜこんなに良くしてくれるのか、Aは、よくわからなかったのだ。
今まで親には金の為に売られ、引取先では殴られていたAは、無償の愛を知らなかったのだ。
そんなことを思っていたら、「A」とベルモット。
「私はAを可哀想に思って連れてきたわけじゃないわよ」
「なん、で…」
「ふふっ、A、貴女顔にでてるわよ?
“なんで私によくしてくれるんだろう”って…」
「…」
「…護りたくなったの」
まもりたい?
不思議そうなAを横目に、ベルモットは続けた。
「理由なんかないわよ。
ただ、無性に、ね」
Aはまだわからなかったが、大人になったらわかるだろうと思い直して、「着いたわよ」という声に車から降りる。
手を繋いで子供服売り場まで歩いていると前の子供が母親に抱っこされてきゃっきゃと笑っていた。
(いいなぁ…)
Aが内心そう思っていると、ベルモットがひょいとAを抱っこする。
「顔にでてたわよ?」
「///」
Aは赤くなりながらもキュッとベルモットのシャツを握った。
「あ、これとあれいいわね。
カード一括で」
かわいい服を見つけては値札をみずに買うベルモットに、Aは不安になる。
「ママ、大丈夫なの?」
「あら、心配しなくても大丈夫よ」
そんな会話をしながら買って行くうちに時間も経つ。
ぐぅ〜とAのお腹がなる。
恥ずかしさでAが赤くなれば、クスッと店員さんが「かわいらしい娘さんですね」と笑い、ベルモットはすかさずスマホで撮影する。
洋服や日用品が入った袋が五つになったところでレストランに入った。
かわいい娘に綺麗なお母さん!と注目されていたのは余談である。
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泉 - 久しぶりに来たら続きが更新されててうれしい🎵⤴️ (2023年1月5日 13時) (レス) id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
泉 - ベルモットも人間 (2023年1月5日 13時) (レス) @page50 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
かのん - ベルモット大好きだから嬉しい❤️ (2022年1月22日 11時) (レス) @page48 id: 23ecb5b22b (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - 晴雫丸さん» それな!! (2019年9月17日 21時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
S・T(プロフ) - 皆の溺愛行動を見てると…自分がその場にいたら…『貴方達…何やってんですか(苦笑)』…って、思わず言いますねf(^^; (2017年12月27日 15時) (レス) id: fd942f87f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モノクロ猫 | 作成日時:2017年8月24日 23時