進んで悪になり得たか。 (ページ28)

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『危ない、廻さんッ！！』

銃弾など、体を貫いて二人ともどもやられてしまう。

しかし、大切な人を見捨てて私だけ逃げるなんてことはできなかった。

私は廻さんに覆い被さるようになって、痛みを覚悟した。

だが、痛みが来る前に別の痛みが私の背中を襲った。

『えっ…』

あの緑色のヒーローが、私の背中を蹴った。

『なん、で』

廻さんも、同じように驚いた顔をしていた。

あのヒーローは、私達と敵対していたヒーローのはずなのに。

廻さんがこんな姿になる原因となる、憎むべき存在なのに。

『こんなこと、』

今まで、全部ヒーローのせいにしたかったのに。

弔の言うことを聞いて、楽になっていたかったのに。

『恨めないよ、そんなの』

ヒーローと戦っていた女性との激闘が続いた。

私達は、ただそれをずっと眺めていた。

『廻、さん』

「…大丈夫だ、これが終われば親父に会える」

『…私達の敵って、一体何なのでしょうか』

「そんなのヒーローに決まって…」

『でも、ヒーローは私達を助けてくれました…全てが、彼らのせいだったんでしょうか』

「…何が言いたい」

『…少なからず、私達にも非がある…ということです。私達は、本来なら組長の方針に従って動くべきでした。そうですよね、だから廻さんは組長に謝りたいんですよね』

「…」

『誰かが血を流してまで、私達は栄えるべきだったのでしょうか』

あのエリ、という少女。

あんな小さな子一人が私達死穢八斎會の為に血を流す必要があったのだろうか。

その時だった。

大きな爆発音がして、その方向を見るとあの女性が、何かに爆発されたかのようにボロボロだった。

よく見ると、No.2やエンデヴァーもいる。

『…諦めましょう。廻さん』

私達は、ついにヒーローに拘束された。