【APH】八日目の悪夢【ヘタリア】 (ページ4)

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第三話「始まり」ページ4

＊

『死ぬ』という感覚は、一体どんなものなのだろう。その答えは、わたしが思っていた以上に案外呆気なく出てしまった。

「ここ、どこなんだろ……。」

どうやら、ここが死後の世界らしい。
何もかも真っ暗で、何も感じられないような……けれどこうして考えることはできるから、少なくとも『自我』は存在しているのだと思う。

「わたし、本当に死んじゃったのかな。」

そう思うと、急に元の世界が、あの明るい幼馴染みが恋しくなってきた。
胸がぎゅっと鷲掴みされたように痛んで、思わずその場に蹲る。

(死んでるのに痛いだなんて、変なの。)

恐らく、これは心の痛みだ。
こんな真っ暗な空間ではなく、もっと恵まれた友人や幼馴染みと共に長生きしたかった。願わくばこの想いを言葉にして、残りの人生を幼馴染みと歩んでいきたかった。

「会いたいよ、アルフレッド……！」

そう涙を零した途端、酷く頭が痛み出した。
あまりの痛みに頭を抱えつつ、目の前に人の気配を感じて顔を上げる。

誰、そう問いかけるも声にはならなかった。

『あなたには七日間の猶予をあげる。』

『でも、八日目には必ずあなたは死ぬ。その未来だけは、絶対に変えないで。』

『それが守れるなら、その七日間を好きに過ごしたらいいよ。』

頭の中に響いた声は、紛れもない自分のもの。
その声には、何の感情も込められていなかった。

「……うん、わかった。」

そう答えると、頭痛が一気に和らいでいった。
そして、目の前が真っ白になる。

何だか、眠い。