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第二十五話「独白」 ページ26
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最初に死んだのはAだった。
横断歩道を渡っていたところを信号無視のトラックに突っ込まれたんだ。
……正直、それからのことは思い出したくない。
幼馴染みを目の前で亡くしたアルフレッドは心を病んで、食事さえままならない状態。
アルフレッドは日に日に弱っていき、遂には病院に担ぎ込まれるまでになった。
俺はヒーローなんかじゃない、と。
自分が代わりになればよかった、と。
アルフレッドは泣いた。
魔術を教えたのは俺だ。
これ以上アルフレッドが苦しみ続けるくらいなら、いっそのこと望み通りにしてやった方がいいと思えてきたんだ。
……なんて、これは建前。
身も心もボロボロになったアルフレッドを見ているのが辛かった。完全な自己満足だった。
それがこんな悪夢みたいな七日間を招いた。
本当、情けないよな。
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作者名:ひまり@靴下 | 作成日時:2016年2月20日 17時