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第二十四話「真実」 ページ25
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「思い出した?」
そっと頷く。
「どこまで?」
「……さあ、よくわかんない。」
「そう。」
わたしは冷静だった。
何故なら、初めてではないから。
わたしがアルフレッドを失ったのは、初めてではない。あの時アルフレッドもまた、わたしを失ったのは初めてではないのだろう。
「アルフレッドは知ってたの?」
「何を?」
「繰り返してたこと。わたしもアルフレッドも、何度もお互いを庇って死んでたんだよね。」
アーサーの目が大きく見開かれる。
その目は、酷く充血していた。
「アーサー、教えてくれたよね。数日後に必ず死ぬ人間を生かす為には、誰かの命を代償にしなきゃいけないっていう魔術。
わたし、まだ全部を思い出した訳じゃないんだ。アーサー、もっと詳しく教えてくれない?」
アーサーの視線がそっと伏せられる。
思い出したくないのだろう。
「……アーサー、俺が話そうか?」
「いや……いい。」
フランシスの申し出を断ると、アーサーはぽつりぽつりと話し始めた。
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作者名:ひまり@靴下 | 作成日時:2016年2月20日 17時