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第十六話「誓い」 ページ17
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今日は珍しく、自力で早起きすることができた。
ベッドから体を起こした。
いつもの寝起き特有の怠さが無いのも、夏にしてはひんやりと冷たい床に足を下ろした時のあの感覚も。既に、慣れてしまっていた。
「……今日、か。」
怖いくらいに目が冴えている。
本当なら、今すぐにでも寝直して今日という日が夢であったと確かめたいのに。
「…………終わりたく、ないなあ。」
そんな呟きは、朝の静寂に消えていく。
自分で決めたことだというのに、いざ「それ」が近付いているのだと思うととても恐ろしい。
死にたくない。当たり前だ。
けれど、自分の命一つで何かが変えられるというのなら、その可能性に賭けてみたい。
「…………アーサーのとこ、行こう。」
今度こそ、こんなことは繰り返してはいけない。
彼女には、こんな思いをさせたくない。
こんな悲しい出来事は、俺で最後にしよう。
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作者名:ひまり@靴下 | 作成日時:2016年2月20日 17時