第十三話「幼馴染み」 ページ14
「……で、直前にアーサーと二人っきりで話をしたのは間違いないのね?」
その言葉に頷くと、フランシスは脱力したように溜め息を吐いた。
「少しは進展したかと思えば……。A、お前がそこまで馬鹿で鈍感な奴だとは思わなかったわ。」
「はあ? 自分から相談に乗っといて暴言とか本当にありえないんだけど!」
疑問符を浮かべたまま言い返すわたしに、フランシスは呆れた表情で言った。
「そりゃあ、嫉妬しかないでしょうよ。」
「……嫉妬?」
「そ。アーサーと秘密の話をしてるのが気に入らなかったんじゃない? アルフレッドは。」
『あの口煩い眉毛には言えて、何でヒーローの俺には言えないんだい?』
「Aだって、アルフレッドが……そうだな、セーシェル辺りと秘密の話なんかしてたら気に入らないでしょ?」
「! それとこれとは話は別だよ。」
「いーや、同じだね。」
幼馴染みだから、隠し事はして欲しくない。
それもあるけれど、わたしは…………。
「早く仲直りしておいで。ついでに、もう素直になっちゃったら?」
「余計なお世話! ……でも、ありがと。」
わたしは教室を出て、校内パトロールでもしているであろうアルフレッドを探すことにした。
「……時間、無いんでしょ。
せめてちゃんと仲直りしてもらわないと、お兄さんどんな顔してればいいのか分かんないよ。」
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作者名:ひまり@靴下 | 作成日時:2016年2月20日 17時