「赤点とっちゃった、どうしよう!?」 ページ2
べりあん
「おやおや……。まあそういう時もありますよね。もしよければ補習お付き合いしましょうか?」
「赤点をとってしまった」と泣きついたあなたに、優しく女神のような微笑みを向ける彼。
「いいの?」と潤んだ瞳をあなたが向ければ、「ええ、もちろん」としっかりうなずいてくれました。
その後は普通に補習を受けたのですが、教えると言ってくれた彼はあなたの横に机を合わせて一つ一つゆっくり教えてくれます。そこまでならあなたもありがたいなあ、ですんだのですが……
なんだか彼との距離がめちゃくちゃ近く、あなたはついつい頬を染めてしまいます。せめてもの抵抗として彼の名を呼んでも、「? どうしました、なにかわからないところでもありましたか?」と首をかしげるだけ。どうやら完全に無自覚なようです。
至近距離にある彼の端正な横顔にあなたは補習どころではなく、せっかく彼が優しく教えてくれる話の内容も全く入ってきません。
更には「どうですか? 分かっていただけましたでしょうか?」と彼にまっすぐ見つめられて、あなたは完全敗北。
それから補習が終わって。
「今度は一緒に勉強会などしたいですね!」と髪を揺らして微笑んだ彼に、未だほんのり顔が赤いあなたは。その勉強会も今回の補習の二の舞いになるだろう、とどこかで確信していました。
ろの
「え、Aも? よっしゃ、じゃあ一緒補習受けようぜ!」
あなたが告げるや否やぱっと顔を輝かせる彼。どうやら彼も赤点をとって補習なようですね。
「Aがいるならさぼれね〜しな〜」と、真面目なのか不真面目なのかよくわからない発言をしました。
そんな様子にあなたは「もう……」と呆れながらも、彼と一緒に補習を受けに行ったのでした。
そして……。彼が最後までちゃんと勉強するはずもなく。
はじめて三十分ですでにスマートフォンに手を出していました。
どうやら通知を見るために開いたら止まらなくなってしまった様子。「お、通知きてる〜」からの「あ! 今イベントやってんじゃん!」で秒でアウト。
「ちゃんとやりなよ」と非難の視線を向けるあなたから逃げるように彼はSNSを開きます。するとすぐにあなたのスマートフォンに通知が。
なんだろう、と思って開いてみれば、どうやら彼からのメッセージだったようで。
この退屈な時間に飽きていたあなたは、彼と一緒にスマートフォンをいじり始めてしまいましたとさ。
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作者名:希死念慮ちゃん | 作成日時:2022年6月14日 21時