みっつ ページ4
『あの、ラギー・ブッチさんっていますか?』
放課後、ラギー・ブッチに手を出した。
モブ「え!?Aさんっ!!?い、いるよっ、すぐ呼んで、」
ラギー「呼んだッスか?」
モブ「うわっ!!」
思いっきり叫び声を上げて恥ずかしがるモブくんにありがとう、と吐息たっぷりで囁いたら耳まで赤くなっていた。
そして本題。ラギー・ブッチの勧誘。
ラギー・ブッチを味方にし、芋づる式でキングスカラー先輩に入り浸ろうという作戦だ。
ラギー「お!こりゃまた珍しいお客さんッスね〜」
『ごめんなさい。呼び出しちゃって・・・・。
あのね、私、動物言語学が苦手で・・・・。
ラギーくん、上手だって聞いたから、教えてほしいなって思ってね。
あ、勿論、お礼は用意してあるよ』
お礼。
その言葉に反応したラギー・ブッチ。
褒められて気分も上昇しているのか、どこか都合の良さそうな顔をした。
ラギー「いやぁ〜Aさんもわかってるッスねぇー!いいッスよ。ちょっとくらいなら付き合うッス」
『ホント・・・・!ありがとう。それじゃあ行こ。』
私はスルッとラギー・ブッチの手をとり空き教室へ急いだ。
勿論急ぐ必要などないけど、こっちのほうが楽しい。
それから、動物言語学を教えてもらうこと数十分。
それなりに緊張はとけ、距離も縮まったと思う。
『ありがとう、ラギーくん。とってもわかりやすかった!
あ、お礼なんだけどね、私料理が好きでね?
ドーナツを作ってみたの。
ラギーくん、ドーナツ好き?』
まるでなにも知らないかのようにプロ顔負けのドーナツをラギーくんに見せる。
勿論、ラギーくんがドーナツ好きなのは把握済み。
彼は好き嫌いはないそうだが、できるだけ好みに合うようにしたり、サイズを大きくしたりした。
勿論、好感度は上昇する一方。
多分、これ以上手のこんだことはせずとも、これからは仲良くやっていけるだろう。
ラギー「いやぁ〜プロみたいな味ッスね〜!いくらでも食えそうッスよ」
『あははっ。褒め上手なぁ。また教えてくれる?
次はトッピング多めのドーナツにするつもりなんだよね』
ラギー「マジッスか!?勿論教えるッスよ〜!!」
ドーナツを頬張る、世間知らずのハイエナを、
獲物を捉えた高徳感で満ちた目で見つめた。
『嬉しいな。ありがとう。』
宝石のように美しい私の笑みは、窓から入る明るい夕日に照らされ、より光を帯びた。
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作者名:天照大神 | 作成日時:2023年7月30日 13時