one-hundred‐thirtyfive ページ42
あくびside
誰かが入店したことを知らせるベルが鳴って、玄関に目をやるとそこには今にも壊れそうになったらがが立っていた。
「……あぁ、らがか。はい、ホットコーヒー。4番空いてるから。行っといで。」
『聞かんの……?』
「聞かへんよそんなん。話したくなった時にいつでも言い。」
『そ、っか。ありがとうな、あーちゃん。ちょっと借りるわ。』
私たちの間にはこれくらいで十分だし、これ以上はなんなら邪魔になる。
何があったんかは何も分からんけどまた壊れそうになった時だけそっと掬ってやればいい。
4番以外のお客様に閉店時間を知らせ、店を締める。
そんな作業をしていると見覚えのない番号から電話がかかってきた。
[もしもし、あの、あくびさんですか?]
「はい、スタジオ……あ、うらたさんです?」
[はい。うらたぬきです。らがちゃんそっちいますか?]
「居りますねえ、さっき来ましたよ。なんか聞いたんですか?」
[いや。ただ、歌い手から離れるとだけ。]
「…なら、ほっといてやってくださいな。彼女も彼女なりに考えてると思います。多分こっちに来ようとしてるんでしょう?彼女のためにも辞めてやってください。…………女だって女同士にしか分からんことくらいありますから。」
[……浦島坂田船のリーダーなんです。メンバー間の問題は解決はせずとも、知っておきたい。]
「……このスタジオへの行き方を教えます。らがには会わんといてやってください。でも、私から話すくらいなら。」
[……!なんか、聞いたんですか?]
「いや、まだ聞いてませんよ。でもしばらくしたら話してくると思いますから。」
[なんでも、知ってるんですね。]
「こんなことを言うのは照れくさいんですけどね。親友ですから。」
[そうですか……。今からそちらに伺わせて頂きます。]
「はい、お待ちしとります。」
one-hundred‐thirtysix→←one-hundred‐thirtyfour
603人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
痛バのあの子はコミュ障なのでTwitterに潜むことにしました。
緑のたぬきさんに憧れて歌い手になったら、その人のことをもっともっと好きになり...
もっと見る
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
匿名ラ - もし現場参戦をされていたようでしたらもしかしたら会場であっていたのかな、と気になって…。教えていただければ嬉しいです…!あとリクエストなんですけど、この前公式チャンネルで投稿されていた数取団の短編が見たいです!みてなかったらごめんなさい、、。 (2020年6月26日 23時) (レス) id: 813830b0a5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名ラ - 昔ずっと読んでいたので、久しぶりに見にきたら更新再開されてて本当に感動しました。ずっと好きだった作品なのでまた見られて嬉しいです、!推し事、本当にお疲れ様でした…!質問なのですが、あくびさんはどのライブに参戦されていたのですか?(→続きます (2020年6月26日 23時) (レス) id: 813830b0a5 (このIDを非表示/違反報告)
いろはす。(プロフ) - まずは推し事お疲れ様でした。同じラとして憧れでした。この作品で知ることができたので更新して下さってとても嬉しいです。 (2020年5月17日 11時) (レス) id: a5c65ee679 (このIDを非表示/違反報告)
莉乃(プロフ) - 初コメ失礼します、面白すぎて一気にここまで読んじゃいました!!更新難しいかもしれませんが、されるまで待ってます!!頑張ってください (2020年5月2日 22時) (レス) id: 8cd9bde38b (このIDを非表示/違反報告)
ゆみか(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白くて何回でも読み直してしまいますwあくび。さんってTwitterしてますでしょうか、?していてら教えてくれたら嬉しいです。これからも頑張ってくださいね! (2020年4月23日 17時) (レス) id: bac69d1b88 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あくび。
作成日時:2018年10月16日 7時