【歌い手】ラ上司、ら部下。Part4【センラ】

one-hundred‐thirtythree ページ39

……やっちまったぜ。



飛び出てきたのは失敗やったなあ……



ヒステリーあげてブチギレるめんどくさい女やんこんなん……はぁ〜〜穴があったら埋まりたい。



公園のベンチで胡座をかいてそんなことを考える。
そう言えばさかたん置いてきちゃったな……また今度飲み直そ。



『……ああああああああああああ！！！！！誰や！！！あいつ誰やねん！！！！！！ほんっっま腹立つわもう腹たっつ〜〜〜！！！！！！やっっと好きやなあって思い始めたのにタイミング悪すぎやろ私！！！！！！！私確実に関係ないのにこんな腹たってるのもおかしいし！！！！！！アホアホアホアホアホアホアホ！！！！！』




……すっきり……はしてないな。
絶叫に近い形で怒りを叫ぶと自分の騒がしさと公園の静けさの対比で情けなくなった。



『……かっこわる…。』




「らがちゃん！！！！！！」




『！……さかたん？』




公園の入口から息を切らしてこっちに向かってきたのはさっき私が置いてきたはずのさかたんだった。




『さかたん……？なんで……？』




「らがちゃん。……大丈夫…？」




心底心配した顔で聞いてくれるものだからその温かさが痛くて、鼻の奥がツンとした。



困るなあ、さかたんは。火傷してしまうほどあたたかくて隠し事なんて出来ない。



でも、



『ん、大丈夫。先輩にも謝らなきゃね。あと先輩の彼女さんにも。さかたんもごめんね？ゆっくり飲み直そっか。どこがいい？私焼き鳥食べたいなぁ〜さか「らがちゃん。」……。何？』



私の言葉を途中で遮って泣きそうな目で見つめられる。



「らがちゃん、無理、しないでよ……」




『や、やだなぁ、無理なんてしてないよ。ただ私が勘違いして舞い上がって、で勝手にへこんでるだけでしょ？』



「標準語になってる。あと、泣き跡。」



『……もうふっ切れたから！！さっき叫んできてさ。大丈夫。大丈夫、だと、思ってたんだけどなあ……』



さかたんには全てを見透かされているようでボロボロと涙が零れてくる。



そんな私をふわりと抱きしめたさかたんの熱い体温と肌で感じる相手の鼓動。背中を一定のリズムでさすってくれる大きく骨張った手の全てがさかたんの優しさを表しているようで私はさかたんの体の中で自分の思いを全て打ち明けた

one-hundred‐thirtythree→←新作アンケート！(締切)※追記あり

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