【歌い手】ラ上司、ら部下。Part4【センラ】

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坂田side

「『うっっっっま〜〜〜〜……』」


らがちゃんはまだ夕飯を食べていなかったらしく、お好み焼き屋さんに来ました！、！美味しいです最高

『クリスマスにお好み焼き屋に男友達と来る女……我ながら終わっとる……私永遠に結婚できひん……』


「大丈夫、三十路まで貰い手いなかったら浦島坂田船の誰かが貰ってあげる」


『エッッ待って誰かって何？じゃんけんかなんかで決めるんか？？私に選ぶ権利は？？？もしかしてない？？？』

「ない」

『くｯそ、、』



茶番が終わって顔を見合わせて、同時に笑い出す。
それでまた同時に笑い終わって黙々とお好み焼きにかぶりつく。



「あ、ちなみにさ、センラなんで来れへんの？」


『……っあー、女の子とデートちゃう？』


「……は？」



『いや、言っていいかわからんけどまぁさかたんやしええやろ。あんなぁ、先輩、女の子へのプレゼント大事に持っててん。可愛いヘアピン。』


「嘘、センラが？？なんで、？」

俺の知ってる限り、いや、みんなわかってるけど。センラはらがちゃんのことがすきだ。

それはもちろん恋愛的な意味で。それはもう、見てるだけでこっちが恥ずかしくなるような純粋で無垢な恋心。多分薄々リスナーも勘付いてるだろうし、俺らはしょっちゅうセンラにLINEやら通話やらで惚気(本人は愚痴のつもりらしい。腹たつ(()を聞かされまくっている。

それほどまでにらがちゃんにぞっこんなセンラが他の女の子とわざわざクリスマスに会う意味なんてないはずなのに。


『なんでって言いたいのはこっちやわ、ほんま。あーあ、まぁ別に？先輩が彼女居ようが居なかろうが私に言う必要はないしな。でも、』


教えてくれても良かったんやない？とも思うよ。
そう言ってらがちゃんは見たことないくらいに悲しそうに笑った。


『あ、さかたんお好み焼き食べ終わった？そろそろ次行こ〜奢って奢って』


らがちゃんは変な空気を誤魔化すようにへらへらと笑って鞄を手に取る。

それでもやっぱり、らがちゃんの顔はどこか寂しげだった。

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