【歌い手】ラ上司、ら部下。Part4【センラ】

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ギターをスタッフさんに手渡すと入れ替わるようにみんながステージにあがってくる。黄色い歓声が途切れるのを一瞬待って、私がマイクに唇を近づける。



『気分次第です、僕は。敵を選んで戦う少年』



ハモりを入れながら、みんなで追いかけっこをするみたいに歌を重ねていく。



少女が空から堕ちていくように、私達は歌に溺れて堕ちていく。深い深い泥沼、ぬかるみのように、私たちを掴んで話さない歌に私達はある意味呪われているのかもしれない。



歌を呪って、歌に呪われて。だけど叶えたい希望とか、夢とかそういうのも大して持たなくて。きっと夢なんてものは勝手に作られて勝手に叶えられるんだろう。私達は大人だから、もう夢が簡単に叶うなんて思えないから、そんな事実から逃げるようにただただ単純に明日を嫌って、過去に願って、縋り続ける。



いつ、この緑と紫と赤と黄色と、そして桃色の世界が壊れてしまうかわからないから。明日になったら嫌でも現実を見ることになるから。だから、私達は明日を極端に嫌うんだ。明日から来ないで欲しい、今日が一日の夢のままでおわらないでほしい。誰もそんなことを言わないけど、みんな思ってる。




でも、これが一日限りの夢だとしても。ここにいるみんなが私たちを見つけてくれて、私たちを見ててくれている、応援してくれている。大したことは出来ないけど、せめて。私たちを見てくれている君に、最大限のありがとうを。



浦島坂田らが船『アスノヨゾラ哨戒班』



────ーー ー ー ー ー今日の日をいつか思い出せ未来の僕ら

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