1.はじまりは ページ3
『え?ママンとトゥギャザー?』
『そうそう!小さい頃良く一緒に見てたじゃない?』
ある日の夜、妹から電話がかかってきた。
お互い仕事が忙しかったから、電話越しに話すのは久しぶりだ。
『その番組に、雄太が行きたいっていうから応募したんだけどそれが当たっちゃったの!
しかも元々選んでた日と一日ずれて!
それでその日は仕事がさあ…』
『…言いたいことはもう大体分かったけど…まあ聞いてあげる』
電話の奥で『お姉様っ!!』という声が聞こえる。
『お休みのところ大変申し訳ありませんが、雄太を連れて行ってやって下さい』
『もー…分かった分かった。可愛い妹の頼み聞いてあげるよ』
私がそう言うと、妹は『ありがとう!』と嬉しそうな声を上げる。
それに私がいいよーと返すと、妹は恒例のあの話題に触れてくる。
『それでさーお姉ちゃんはいつ結婚するの?』
『もう、またその話ー?』
私より3歳歳下の妹は、もう結婚していて子供もいる。
そして5個下の弟ももう結婚間近。
この事もあって妹達は事あるごとに私に結婚しろと言ってくる。
『だってお姉ちゃんモテない訳でもないのに彼氏すらいないじゃん!…あ!まさかまだ引きづってるのー?高校の王子様!』
『ば、ばかっ!そんなわけないでしょ!』
…そんな事もまあ、あるのだけれど。
高校の王子様とは、私の通っていた高校の女子ウケナンバーワン男子の事。
名前の由来は、王子の熱烈なファンだった一人の女子生徒が全国の高校の中で世界一かっこいいとつけたからだった。
そしてそんな彼を、私も好きだったのである。
『でも私も見てたかったなぁ…高校の王子様とやら
お姉ちゃん、頭良いからって遠い高校行っちゃってさあ』
『もう…じゃあもう切るよー』
『あっ!ちょっ…ツーツー』
私は無理やり電話を切る。
(余計なお世話だっての!)
ママンとトゥギャザーか…。
久しぶりだなぁ…。
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ちた - 更新楽しみにしてます! (2021年8月11日 1時) (レス) id: daa16f4a74 (このIDを非表示/違反報告)
珍妙な眼鏡(プロフ) - 更新待ってます! (2021年7月27日 10時) (レス) id: 6503161f4b (このIDを非表示/違反報告)
床に寝転ぶ猫 - 初めまして!鏡子さんのうらみちお兄さんシリーズがとても好きです!更新いつまでも待っております!! (2019年8月1日 16時) (レス) id: 52e5b5915e (このIDを非表示/違反報告)
毒蜘蛛 - 更新待ってます^^* (2019年6月2日 1時) (レス) id: a1f2b3bb01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鏡子 | 作成日時:2019年2月20日 18時