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それから数年後
奴良組ではぬらりひょんと鯉伴が頭を抱えていた。
「今年も…また駄目か?」
「駄目ですねぇ…。」
「では、早朝まで及びましたが、今回の会議でも、奴良リクオ様の三代目襲名は先送りという事で。」
「あぁあ゛!俺は何時まで総大将でいりゃあいんだよ!早々に隠居して楽に暮らしたんだが…。」
鯉伴は自分の髪の毛をくしゃりと掴んだ。
「今のリクオ様には無理ですな。あれでは立派な人間で御座います。」
そう言われ鯉伴はより落ち込んだ。
「そう言えば親父。ここ数年、どこかに行ってるよな。何処に行ってんだよ?」
「何処だってえぇじゃろう。」
ぬらりひょんはリクオが見えて本来の姿から好々爺の姿に化けた。
「お祖父ちゃん、お父さん。また会議?駄目だよ!悪巧みばかりしてちゃ!ご近所に迷惑かけない様に!じゃあ、学校行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
「行ってらっしゃい……で、親父は何時も何処に行ってんだ?……おふくろの所って言わねぇよな?」
「何処でもいいじゃろ。」
「やっぱりおふくろの所かよ。」
「フン!」
「あの人は俺達の事覚えて無いんだぞ。」
「そんな事分かっとる。もう一度好きになって貰うだけじゃ。」
ぬらりひょんはそれだけ言うと本来の姿になり何時もの様にAの家や学校の外からAを観察していた。
「(Aは昔と同じ力を持って居る事は分かった。隠して居るつもりだろうけどのう。鯉伴を助けたのも彼奴であろうな。)」
ぬらりひょんはぬらりくらりと散歩に出掛けたのだった。
Aは中学もリクオとカナと同じ学校に行った。
教室で清継は小学校の時とは変わって妖怪が居ると騒ぐ様になっていた。
『清継君もリクオ君も変わったね。』
「だよね。リクオ君あんな感じじゃ無かったのに。清継君だって妖怪は居ないって言ってたのに、今は逆のことを言うようになったね。」
カナとAは呆れていた。
「奴良君。昔は馬鹿にして悪かったね。君のは嘘だろうけど。僕は目が覚めたんだよ。あるお方によってね。」
「あるお方?」
「そう。そのお方は、闇の成果の住人にして、若き支配者。そして幼い頃、僕を地獄から救って下さった。惚れたんだよ!!彼の悪の魅力に取りつかれたのさ!もう一度会いたい。だから彼に繋がりそうな場所を探しているのさ!!」
その話を聞いた他の生徒が騒いだ。
「もしかして。清継君!?」
「噂の…旧校舎も!!」
「あぁ行きたいと思っている。」
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時