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ぬらりひょんは少し儚げに笑った。
『今日の事も少しだけ夢と重なったんですよ。』
「……………。」
『その夢はいつも貴方が居ます。それでいつも私を守ってくれるんです。』
「ワシは何かあってもAを守ると決めておる。」
『今日は行きたい所があるんです。』
「!珍しいのう。何処じゃ?」
『この街が見渡せる場所に連れて行って下さい。』
ぬらりひょんはAの言葉に驚いた。
「えぇんかのう、帰るの遅くなるぞ。」
『構いません。』
Aはぬらりひょんに身を委ねた。
『お願いします。』
「分かった。」
Aを抱えてぬらりひょんは昔Aと一緒に行った丘に向かった。
「此処じゃ。」
丘に着くとぬらりひょんはAを降ろした。
Aはそこから見る街を見て涙を流した。
『此処からの景色変わったわね。』
Aはぬらりひょんの方を見た。
「!!A……」
『完全に思い出した訳では無いけど、妖殿は今の時代でも元気でいたのね。』
「A!!」
ぬらりひょんはAを抱きしめた。
『ぬらりひょん、鯉伴は大きくなりましたね。』
「あぁ、あぁ。」
『信じます。あの夢は私の前世の記憶なんでしょ。』
「あぁ、そうじゃ。ワシとAの出会いは今で言う京都じゃ。そこの公家の娘として生まれ、Aは予知の力があった為に外に出る事は出来なかった。」
『そして珱も私も治癒力に目覚めより外に出る事が出来なかったのに貴方が私と会った事で全部が変わりましたね。』
「そしてワシはA会いに夜な夜な忍び込み話をしたのう。」
『そうね。貴方に連れ出して貰っての嬉しかったわ。』
「……何かあるのか?」
『!!昔より察しが付くようになりましたね。』
「何がある?」
『先の事になるけど羽衣狐が動き出す。』
「!!それで……」
『リクオが羽衣狐と戦いたいそうよ。』
「……はぁ。今のリクオには無理じゃな。」
『私が言ってるのは……。』
「分かっておる。その事はワシから鯉伴に話しておこう。」
『お願いしますね。』
Aはぬらりひょんに身を預けて家に送って貰った。
『妖殿、また。』
Aは窓から手を振った。
「また奪いに行く。」
『待ってます。』
二人は笑って別れた。
それから数週間経ってある妖に着いて清十字探偵団が調べる事になった。
Aは参加しなかった。
Aは奴良組に居た。
今回はリクオの幼馴染としてではなくぬらりひょんの嫁として奴良組の門をくぐった。
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時