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「A、今日は鯉伴と帰ってくれるかのう。」
『えっ?』
「親父、おふくろに何かあったらどうするつもりだったんだよ。」
「ワシがAに怪我をさせる訳無いじゃろうが。」
Aは鯉伴が居る事に驚いた。
そこに納豆小僧が買い物袋を持ってやってきた。
「ぬらりひょん様!ご、ご、ご無事でしたか?」
「お前こそ、大丈夫かい?納豆よ。」
「私の心配なんか…とにかく早く帰りましょう。」
「ワシは帰らん。」
『えっ、どうしてですか?また襲われたらどうするんですか?』
「A、ワシがこの後襲われるんか?」
『えっ……襲われる事はありませんが……でも!』
Aが顔を上げた時にはぬらりひょんは何処にもいなかった。
一緒に居た納豆小僧も。
「Aちゃん、帰ろっか?送るよ。」
『妖さんは何時もあぁなのですか?』
「親父はあんたを巻き込みたく無いんだ。」
『私は巻き込まれていません。』
「今回は親父と一緒に居たから大丈夫だったが次からは気を付ける様に。」
鯉伴がAの頭を撫でた。
『気を付けます。』
Aは鯉伴に家迄送って貰った。
それからぬらりひょんを見る事は無かった。
『本当に四国に行ったんだ。』
Aはぬらりひょんが居ない事で四国に向かう予知が本当だと分かった。
Aは学校以外で外に出ずにいると鳥居が病院に運ばれたって連絡が来た。
その病院に向かった。
『(此れは…呪い?どうして?)』
Aは病室から祠が見えた。
そこに行き、折り紙の鶴がお供えされているのを見た。
『此処って千羽様の祠だったんだ。』
Aは鞄から紙を取り出して折り鶴を折ってお供えした。
『どうか、鳥居さんを助けて下さい。』
手を合わせているとお婆さんが千羽鶴を持ってやって来た。
おばあさんも手を合わせて祈った。
次の日に鳥居さんは元気になったと連絡が来た。
Aはその連絡にほっとした。
それからAは用事があり夜に買い物に出掛けた。
すると、リクオ達がどこかに行く所を見た。
Aは予知でこれから何があるか分かり、慌てて追い掛けた。
物陰に隠れて様子を見ていた。
そんな時にゆらが飛び出してくると予知したAはゆらを庇った。
『ゆらちゃん!!』
「何で夜桜さんが……」
『今すぐここから離れるよ。』
Aは自分の怪我を治しながらその場を離れようとした。
だが、一人の妖に腕を取られた。
「人間の割に何か不思議な感じがする。」
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時