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長髪のスーツの男が風を操った。
ゆらが札で風からAとぬらりひょんを守った。
「いたっ!!うおい…」
「大丈夫!?お祖父ちゃん、夜桜さん!!」
「なーにAちゃんはワシが守ったから大丈夫じゃ。しかしあんた、凄いのう。」
「お祖父ちゃん、悪い事言わん。夜桜さん連れて逃げて!!」
『ねぇ、お祖父さん、あの妖怪はかまいたち?』
「ワシもそう思ったんじゃが、“かまいたち”…こんな荒っぽい奴だったか…ハテ。」
「妖怪に詳しんやな、お祖父ちゃん。」
「うん?まあのう。」
「でも、多分彼奴はかまいたちとちゃうよ。」
『かまいたちじゃないなら…風のムチ?』
「そうや。あいつは風の“ムチ”!四国の山奥に現れる、怪異妖怪!!あの風は…“毒”人を病にさせる……猛毒の風!」
Aは驚いてぬらりひょんを見た。
『(さっき私を守ってくれた時に風に当たってる!)』
Aの視線を感じたぬらりひょんは笑ってAの頭を撫でた。
「そりゃ、ワシのあずかり知らんとこじゃのう。」
ゆらがムチの部下が居ない事に気が付いた瞬間に囲まれた。
ムチ達の攻撃からAとぬらりひょんを守ってゆらが怪我をした。
Aは咄嗟に怪我を治そうと近寄ろうとした瞬間ゆらが式神を出してAとぬらりひょんを乗せてビルの上に連れて行った。
ゆらはA達が居なくなった事で今の自分に出来る全力を出した。
そしてムチの部下を倒した。
Aが安心して見ていると下からムチがゆらに攻撃してA達の方に来た。
「護衛は、しばらく来ないぞ。登って来れば10分は掛かる。ビルの上に逃げて……逆に追い詰められたな。ぬらりひょん。誰もが知る大妖怪。」
ぬらりひょんの姿がゆっくりを変わって行った。
「狒々の奴を倒したのはお前か?」
『!!』
Aはぬらりひょんの言葉に驚いてぬらりひょんを見つめた。
「残念だのう。あいつとはずいぶん前に盃を交わした奴良組の古株の一人で時々一緒にかふぇもする仲だったんじゃが。」
ムチが攻撃してきてぬらりひょんはAを抱えたまま避けた。
「A、お前は此処で待っとれ。」
ぬらりひょんはAを攻撃から遠ざけた。
『妖さん…。』
「大丈夫じゃ。」
ぬらりひょんはムチと向き合った。
「風情が無いのう、お前。」
ぬらりひょんはムチの攻撃を全部避けた。
逃げ場がなくなった瞬間ぬらりひょんは刀を抜いてムチの風を返した。
ムチもAもぬらりひょんの畏れに飲まれた。
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時