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浮世絵町に戻ってAは直ぐに奴良組に行った。
『お邪魔します。』
Aが来た事に驚いて誰も反応できず固まっていた。
Aは何も言わず、真っ直ぐリクオと牛鬼が居る部屋に向かった。
ちょうどリクオが中から出てきたタイミングだった。
『おはよう、リクオ君。』
「おはよう、Aちゃん。……Aちゃん！！？なんで此処に！？」
「A？……！！」
Aが居る事にリクオも牛鬼も驚いた顔をしていた。
『牛鬼さんもリクオ君も一緒に居てよかった。』
Aは二人の手を掴んで治癒力を使った。
「これって……今までも何度も治して貰ったけど。Aちゃんのこの力…お父さんの力と一緒だよね？」
『へぇ、リクオ君のお父さんもこの力を持ってるんだ。』
「あの…。」
「ごめんね、牛鬼。この子は夜桜Aちゃん。僕の幼馴染だよ。」
『牛鬼さんとリクオ君の怪我は斬り合って出来たモノだよね。』
「！！どうしてそれを！！」
「！！(A様に瓜二つなのは知っていたが力も同じとは……)」
『それと、此処に来たのはもう一つ理由があって……』
Aが鞄の中から何かを取り出した。
「ブレスレット？」
『此れには私の治癒力を込めてあるの。ブレスレットが壊れると治癒の力が発動する様にしてあるの。』
「其れを誰にお渡ししたいのですか？」
いきなり牛鬼が敬語を使ってAに話し掛けた。
『えっと狒々と言う方にお渡ししたいのですが。』
「狒々？どうして狒々なの？何かあるの？」
『それは………』
Aが言い淀んでいると障子が開いた。
「リクオ、Aちゃんが来ている聞いたが？」
「今どこにいるか…って此処に居たのか。」
ぬらりひょんと鯉伴が入って来た。
「？何かあったのか？」
「Aちゃんがその……狒々に会いたいって。」
「狒々に？なんでじゃ？」
『えっと……狒々さんが……』
Aは見た未来を思い出し、涙を流した。
「親父！！何泣かせてんだよ！」
「ワシじゃねぇ！お前も見てただろ！！」
「何か見たのですか？」
牛鬼がぬらりひょん達をほってAに話し掛けた。
『信じてくれますか？』
「私もぬらりひょん様も鯉伴様もリクオも信じて下さいます。」
『牛鬼さんの起こした今回の件を見た後他にも未来を見たんですけど……』
「(Aちゃん、凄い事言っているんだけど。)」
『その中にカナが誕生日に妖怪に襲われる日があってその次の日に狒々さんが風の妖怪に……。』
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年8月27日 23時
