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『さっきリクオ君達を追いかけて行ったよ。』
「そうなの。」
「私、もう出るね!」
カナがAの言葉に急いで出て行った。
「もっとゆっくりしていきなよ。」
『カナが出るなら私も出る。』
「Aちゃんはもう少しいなさいよ!」
巻に抱き付かれて温泉の中に戻された。
仕方が無くゆっくり浸かっていると妖怪が来るのが見えた。
『来る……。』
多くの妖怪が現れてAは驚いた。
ゆらが式神を出して妖怪を押さえる事が出来ているがAは出て行ったカナが心配になった。
ゆらが引き付けている間にAは服を着て外に飛び出した。
『(カナ。カナ…何処に居るの?)』
階段を上っているとカナとリクオと氷麗が居た。
『カナ!!』
「A?」
「Aちゃん。」
『何があったの?大丈夫?怪我してない?』
Aは二人を心配したのと氷麗が足を怪我していた。
『及川さん。怪我してる?治すね。』
Aの手が光り出し氷麗の怪我が綺麗に治った。
『貴方は怪我していませんか?』
「俺は大丈夫だ。」
『そうですか。カナ、及川さんを連れて戻ろ。』
「怖かったら目、瞑ってな。」
Aはリクオに近付き耳元に口を近付けた。
『これから誰に会うのかは聞かないけど、気を付けてね。家戻ったら行くから、彼にも逃げないように伝えて置いて。』
「!?」
リクオは驚いた顔をしていたがAはカナと氷麗を連れて帰って行った。
旅館に戻ると何故か烏の顔をした妖怪が妖怪を鞭で叩いていた。
『どういう状況?』
「私達もよく分からない。」
「って、どこ行ってた!?いきなり居なくなって。」
『ちょっとね。気になった事があったから。カナ、及川さんを部屋に連れて行こう。』
「分かった。」
「夜桜さん。ちょっとえぇ?」
『良いですよ。カナ、悪いけど。』
「良いよ。」
Aはカナを見送った後、ゆらに向き直った。
『何かありましたか?』
「勘なんやけど。」
『勘?』
「夜桜さん、あんた、本当は妖怪が来る事知っとったんとちゃう?」
『あぁ、感じると言うか何となくわかるって感じなの。だから外れる事もあるよ。』
「今回は気が付いとったんやろ。」
『そうだね。だから、離れたの。』
「自分だけ逃げて酷いんちゃうん?」
『ごめんね、カナが外に出た気がしてね。』
Aは誤魔化す様に笑っていた。
「まぁ、夜桜さんも気を付けてな。」
『分かった。有り難う御座います。』
Aは微笑んだ。
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時