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『ならこれをリクオ君の部屋に持って行ったらね。』
Aが桶の水がたまったのを確認して桶を持ってリクオの部屋に向かった。
「ちょっと待ちなさいよ。私が持っていくわよ。」
『良いよ。私がした事だし鞄だって彼の部屋に置いてあるから。』
Aが部屋に戻るとカナ達が来ていた。
『あれ?皆来てたんだ。』
「Aちゃん!?」
「及川さん!?」
後ろに居た氷麗にも皆が驚いていた。
「ははーん!!さては先にお見舞いに来たな?」
『うん。そうだけど。』
氷麗はAの斜め後ろで動揺していた。
「そうなんだよ、皆。ほんの十分程早く彼女達は来ただけで。」
「そうですよ。途中までは一緒だったでしょ。」
「あー?そうだったかもな。」
カナは立ったまま何か悩んでいる様子だった。
『それよりリクオ君、大丈夫?誰、この氷を彼に乗せたのは。これじゃあ風邪長引くよ。』
Aは氷麗が乗せた氷をどかした。
「有り難う、Aちゃん。」
『うん。タオル変えるね。』
Aは自分が持って来た桶にタオルを浸してリクオの頭に乗せた。
すると勢いよく清継が話し出した。
「さあて!!看病はさておき!!ゴールデンウィークの予定を発表する!!」
「へ?」
「ゴ、ゴールデンウィーク?週末からの?」
「そうだ!!君達暇だろう!!アクティブな僕と違って!!僕が以前からコンタクトを取っていた妖怪博士に会いに行く。」
「え!?」
「な、何それ……!?合宿!?」
「(嫌な予感的中…)」
皆が嫌そうな顔をしているのに清継は気付かず話を進めた。
「場所は僕の別荘もある捩眼山!!今も妖怪伝説が数多く残るかの地で…妖怪修業だ!!」
『私は遠慮したいかな。』
「駄目駄目。夜桜君にも来てもらうよ。」
『そんな………(妖怪に襲われる未来が見えるから行きたくないのに……。)分かった。』
Aは本当に嫌そうな顔をしていた。
ゴールデンウィーク、皆で新幹線に乗っていた。
「さぁ、皆、良いかな?それで…よし、いくぞ!!せーの!!」
皆が自分が持って居るトランプを出した。
Aはそれを見ているだけだった。
「ぐああああぁ、また負けたぁ。」
「くそ、またリクオと花開院さんの勝ちかよ。」
「ちくしょう。持ってけよ。掛けたお菓子もって良きゃいいだろう!!」
Aはその様子を呆れてみていた。
「捩眼山伝説ですか?聞いた事無いですね…すみません。」
清継が今回の度の理由を話し始めた。
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時