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その出来事があってから数年が経ってAもリクオもカナも小学三年生になった。
「カナちゃん、Aちゃん。」
「リクオ君、遅いよ。もうバス来てるし。」
『これ逃したら遅刻って言ってんじゃん。』
「だぁってさーー皆が…」
「皆?」
「わーすっごい大きい家。」
「奴良君ち?うっそー」
Aもリクオの家を見て自分の家と同じくらいだなと思った。
学校に着いて授業の中で自由研究発表で清継君が妖怪についてを発表した。
「こうして子を喰う恐ろしい「妖怪」は陰陽の美剣士によって退治されそれが鎮社されたのが今の璞神社と言われています!以上私達の班は郷土の伝説をまとめました。」
リクオは清継の話を聞いて口を大きく開けて驚いていた。
「こっわー。妖怪伝説だって。」
「この辺りに昔出たんだと。」
「いやー。」
「先生ー、今のは何点の出来ですか?」
「満点よ。」
「妖怪って良い奴らだよ!」
リクオが叫んだ。
皆はリクオの事を不思議そうな顔をしていた。
「そりゃ、確かにドジばっかりだけど。青田坊は力持ちだし、雪女は料理は冷めてるけど美味いんだ。」
「何言ってるの、この子。」
「おめぇなんだよ!!清継君の作った自由研究にケチ付けようってのか!!」
「ほんとだって!!僕のおじいちゃんは!妖怪の総大将なんだから!!」
「リクオ君?」
『リクオ君、やめなよ。』
「ほー!じゃあ君のおじいちゃんは「ぬらりひょん」じゃあないのかい?」
「そう!!よく知ってるね!!有名なの?」
「お馬鹿、「ぬらりひょん」ってのはな。人の家に上がり込んで勝手に飯を食ったりわざと人の嫌がる事をやって困らせたりするすっごい「小悪党」な妖怪だろうが!何を
『私が知ってる「ぬらりひょん」の話とは違うんだね。』
Aは小さい声で言った。
「でもみんな安心して!妖怪なんてのは昔の人が作った創作だから!この現代に出る訳無いしね!」
その言葉に皆が同調してリクオを責めた。
リクオは落ち込みバスに乗ってる時も話をしなかった。
『(リクオ君……。)』
Aはそのリクオの様子を心配した。
次の日も昨日の事があってリクオは皆から馬鹿にされていた。
放課後、バスがバス停に来ていた。
清継と島が
「どうしたー!妖怪君、乗らないのかーい!?」
「やめときましょ!一緒に乗られたら妖怪に襲われるかも!?」
とリクオを馬鹿にしていた。
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時