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『リクオ君の見舞いに来ました。』
「リクオの見舞いか。悪いな。」
『いえ。それにこれを返さないと思っていたので。』
Aは紙袋の中を見せるとあぁと鯉伴がどこかに行った。
『リクオ君は何処の部屋に居ますか?』
「こっちじゃ。」
ぬらりひょんの案内でリクオの部屋に行くと中から助けてくれた首無と毛倡妓が出て来た。
『あっ。』
Aはいきなりで倒れそうになったのをぬらりひょんが後ろに立って居た事で倒れなかった。
『すみません。』
「いいじゃ。それより紙袋。」
『あっ!そうでした。すみません。』
Aは首無に声を掛けた。
「はい?(奥方!!)」
『これ、昨日助けて頂いた時に借りた羽織なんですが。』
「あぁ!有り難う御座います。」
首無は羽織を受け取った時に穴が開いていた所が縫われている事に気が付いた。
『穴が開いたり解れている所がありましたので直して置きました。』
「えっ!すみません、直して下さり有り難う御座います。」
首無は羽織を畳み直して持って行った。
『失礼します。』
Aは部屋の前で挨拶してから中に入った。
『リクオ君?』
布団で寝ているリクオを見て鯉伴が風邪を引いた時とかぶった。
Aは頭を振ってリクオを見た。
『大丈夫?風邪?酷いの?』
「Aちゃん。大丈夫だよ。大した事は無いんだけどね。あはははは。」
『辛い時は無理して笑わなくていいんだよ。頭のタオル変えるね。』
Aはすぐ横の桶にタオルを浸して絞ってリクオの頭に乗せた。
『疲れが出たんだね。』
「Aちゃん………慣れてるね…。」
『そうかな?でも無理をして良い事は無いからね。桶の水換えて来るから。』
Aは桶を持って台所に向かった。
「あれ?Aちゃんって家の台所の場所知ってるのかな?」
Aは台所に行き、そこにはリクオの母親の若菜が立って居た。
『リクオ君のお母さん!お邪魔してます。』
「あら。Aちゃん、久しぶりね。元気にしてた?」
『はい。』
「あら?桶を持って来てくれたの?」
『はい。水を変えた方が良いと思いまして。』
「有り難うね。」
Aが桶の水を変えていると勢いよく誰かが台所に入って来た。
「若菜様!リクオ様に何か……夜桜……何であんたが此処に!!?」
『リクオ君の見舞いと首のない方に用事があったので来ました。妖さんと一緒に来たんです。』
「今すぐ此処から出て行きなさいよ!!」
氷麗がAに怒鳴った。
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時